LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

育種家・坂嵜潮さんに学ぶ

はじめに
今日の1−2限は休校だったので、3−4限の「ビジネスイノベータ育成セミナー」のみだ。小川孔輔教授による講義で、今回のゲスト講師は有限会社フローラトゥエンティワンの坂嵜潮社長だ。あまり接点のない業界だけに逆に非常に興味深い内容だった。

ビジネスイノベータ育成セミナーのテーマ
この講義のテーマは「次世代のビジネスリーダはいかにあるべきか」について学ぶことだ。講義の後グループに分けれて討議して発表する。

坂嵜潮さん
業界内では超有名人だ。なぜ有名かと言えばヒットメーカーではなく、ホームランメーカーだ。育種家の王貞治だ。

1)ガーデニングブームの火付け役となったサフィニア
坂嵜潮さんの最初のホームランは1989年のサフィニアだ。これで世界的なガーデニングブームの火付け役として有名になった。提供するのはPROVEN WINNERSだ。プルーブンウィナーズ (PW)とは植物の国際ブランドだ。1992年に園芸種苗会社7社(アメリカ4社、ドイツ1社、オーストラリア1社、日本からは株式会社ハクサン)で発足した。現在、アメリカ・カナダ・日本・ドイツ・イギリス・スペイン・イタリア・デンマークポーランド・オーストラリア・南アフリカから19社の企業が参加するグループとなっている。PWが届けたいのは育てる喜び。そして、めざすものは、「植物を通じて、みなさまに驚きと感動をお届けすること」だ。
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 出典:https://provenwinners.jp

2) チェルシーフラワーショーでの最優秀賞の受賞
2つ目は紫陽花だ。紫陽花といえば、母校の奈良県大和郡山市にほど近い矢田寺が紫陽花寺として有名で6月から7月にかけては見事な紫陽花が咲き誇る。今回、坂嵜潮さんがチャレンジしたのは、結婚式の新婦をイメージする「ラグランジア・ブライダルシャワー」だ。欧州最大の名誉あるチェルシーフラワーショーの新品種コンテストで、最優秀賞に選ばれている。すごい。これは坂嵜さんが得意な種間雑種による作品だ。作品自体の素晴らしさに加えて非常に用途が広いことが評価された。
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 出典:https://provenwinners.jp/product/luxrangea

3) オウミ木イチゴ
坂嵜さんは今彦根市に在住だ。自分も明日、近江八幡に帰省する。大阪への出張があり、移動日がちょうど日曜日なので、久しぶりに実家に立ち寄るだけだ。坂嵜さんは、滋賀県にオリジナル品種のフルーツがないことから、2006年にオウミ木イチゴを開発した。宮崎大学・國武教授と共同で開発し、現在は農業法人「㈱あぐりきっず」で生産されている。健康意識が高まる中無農薬・無化学肥料での栽培しやすいことにも着目された。
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 出典:宮崎大学産学・地域連携センター - 宮崎大学育成品種「オウミ木イチゴ」いよいよ販売!... | Facebook


育種家としての坂嵜さんの才能の開花
ブリーダーというとペットなどの血統を考慮して動物の増殖や改良を行う。育種家はこの対象が植物だ。坂嵜さんの代名詞とも言えるサフィニア(Surfinia)はサーフィン(Surfing)とペチュニア(Petunia)の造語だ。坂嵜さんがサントリーの社員の頃にブラジルのワインの現地生産の調査に来たときに、道端に咲く赤紫色の美しい野生のPetuniaに心を奪われた。トップセラーになった「サフィニア・パープル」の相手の園芸種はサカタのタネの種子系の赤花品種「リカバラー・レッド」だという。当時共同研究先だった京成バラ園芸の研究所長であり、日本のバラ育種の第一人者である鈴木省三さんやその一番弟子の平林浩さんの協力を得て交配に成功したのが1986年10月だ。
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 出典:https://greensnap.jp/post/383942

第二のプロダクション・イノベーション
坂嵜さんが第二のプロダクション・イノベーションと自負する作品がCalibrachoaという花だ。Wiki(英)によると、この種はナス科の植物で常緑性の多年生植物とある。小さなペチュニア型の花が咲き乱れる。種を交配させることで様々な色のバリエーションが広げった。坂嵜さんによれば、金色と銀色以外の色はほぼできたという。確かにこれは素晴らしい作品だ。
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 出典:Calibrachoa Care - How To Grow And Care For Million Bells Flower

氷河期のサバイバー
ダーウィンの進化論に従えば、古代の生物の遺伝子が現在の遺伝子に引き継がれるものと理解する。しかし、最近の研究では現在の生物の90%以上は20万年以降に地球に現れたらしい。もっといえば、厳しい氷河期を生き抜き、1万年前にイギリスに生息していた野生の原生植物はわずか300種類だった。このため、大航海時代にはプラントハンターが世界を駆け巡ってパトロンに献上したという。なお、日本は縄文時代からの植物を含めて3000種類の植物が生息している。
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 出典:https://indeep.jp/dna-barcoding-survey-reveals-new-evolution-theory/

F1は罪悪か
講義の中でF1は罪悪かという話が少しでた。しかし、討議の中で話をしているとF1のことを正しく理解している人は少なかった。というか、自分のグループではいなかった。F1はフォームラーではない。ニつの異なる品質を掛け合わせて作られた最初の世代をF1という。例えば、美人だけど病弱な女性と、ゴリラみたいな容姿だけど頭もよく、健康な男性が結婚すると、美人で頭が良くて、健康な子供が生まれる。そんな図式だ。しかし、問題はその次だ。優秀なF1とF1から優秀なF2が生まれるとは限らない。このため、最近の農家は美味しくて健康な野菜ができる種を種会社から購入して農業している。このためいろいろ問題もあるが、詳細は割愛する。
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 出典:http://tsukitohoshi.wixsite.com/home/koteishu

交配育種
優れた種を作る方法には、交配育種と遺伝子操作がある。この2つのアプローチは全く異なる。坂嵜さんが従事しているのは交配育種である。そして、そのコツは「捨てること」だという。どの種を残し、どの種を捨てるかはロジカルな判断だけではなく直感力もいるようだ。このあたりに後継者を育成することの難しさがあるのかもしれない。
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 出典:https://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kouho/mori/mori-80.html

1990年4月の大阪の博覧会
正式には、「国際花と緑の博覧会」だ。1990年4月から9月までの半年間大阪の鶴見緑地で開催された。坂嵜さんが小川孔輔教授と知り合ったのはこの前年の1989年1月24日だ。まだ消費税がなかった時代だ。それから酒を飲みながら語り合ったり、真面目に議論したり、長い付き合いが始まった。
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 出典:wiki

3つのイノベーション
1990年代には3つのイノベーションが並行して進んだ。まず最初は生産技術の革新だ。ウイルスにかかりやすいのが課題だったが、試験管に収めるなどして、ウイルスフリーの技術で解決した。2つ目は栄養系品種の登場だ。消費者サイドでパフォーマンスが非常に優れた栄養系の品種がどんどん商品化された。3つ目は販売方法の革新だ。ビジネスが成功するには、このように複数のイノベーションが相乗的に革新することが追い風になったようだ。
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 出典:https://provenwinners.jp/product/frosty_knight

師資相承(ししそうじょう)と教外別伝(きょうげべつでん)
難しい言葉だけど、坂嵜さんの好きな言葉だ。師資相承とは、師の教えや技芸を受け継いでいくこと。また、 師から弟子へ学問や技芸などを引き継いでいくこと。教外別伝とは、真の精髄は言葉によって表現しうるものではない。心から心へと直接伝達されるとする考え方だ。ビジネスを長期間継続しても、メガネにかなう弟子に出会うのは難しい。しかし、7年前に若いアメリカ人(28歳)と出会い、継承者に出会ったと直観した。さらに日本人女性も加わった。交わした言葉は少なくても、一緒にやるか?はい!で決まったという。まさに教外別伝だ。
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 出典:https://aucfree.com/items/b395077408#

社会的課題への対応
グループで発表した。坂嵜さんからはよくまとまっていると褒められた。でも、褒められたのは発表者だ。社会的な課題についても今後取り組んでほしいと追加した。坂嵜さんは彦根市在住なので、琵琶湖で問題になっている外来種(オオバナミズキンパイ)の問題などを解決できないものかと言ったら、最後は外したねと指摘された。しかし、育種にも光と影がある。坂嵜さんはこのような社会的な課題についても既に対応されていると説明があった。

ワサビ問題
ワサビは日本を代表する食材だが、中国にもワサビとよく似た食材がある。それは、シャンユサイだ。形だけではなく、標高3000mの高地で生息し、日本の渓流のような環境で生育している。しかし、このシャンユサイはワサビのような辛味がない。DNA分析の結果数百万年前に枝分かれしたという。氷河期よりも前の時代から日本独自の進化を遂げたようだ。そして、問題は非常に重要な個体群が生育する原生地が河辺の森の近くにあり、それが風前の灯火のような状況だということだ。文化的・栽培植物的にも世界的に重要な日本の固有種の遺伝子をいかに守るかは我々日本人がなんとしても解決したい課題だ。

まとめ
今日のテーマは育種家の話を聞いて、それに対してグループ討議して、発表して、質疑応答する。来週は飲食チェーンのハイディ日高屋の神田会長だ。11期連続増収増益で年収320億円を誇る会社を創業したのは、村一番の貧乏からスタートした神田正会長だ。どんな話が聞けるのか今から楽しみだ。
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 出典:https://matome.naver.jp/odai/2141168904981347401

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

デジタル広告#2を受けて

はじめに
デジタル広告の二回目の授業だ。前回参加したけどやめた人が1名、前回は不参加だったけど今回参加した人が2人ということで前回より1名増加して、より多彩なメンバーでの受講となった。その分高田教授も熱が入る。200分話し続けるのは大変だと言いながらも絶好調だ。

GAFAへの投資
先週提示された課題は、10年間で100万円をGAFAに(分散)投資するとしたらどんな比率にするかだった。自分はGoogleの1社に100%投資。なぜGoogleかと言えば、初期のパソコン、現在のスマホに続いてモビリティのプラットフォームをGoogleが提供することを狙っていて、これが成功すると大きな広告ビジネスになると考えたからだ。高田先生の一押しは、Googleではなく、Amazonだった。そして、AppleGoogleにも分散投資してリスク回避を図る案だった。まあ、どれが正解かは神のみぞ知るだけど、大切なことはIRなどの情報を読み込んで論理的に説明できるようにすることだ。
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 出典:https://www.sankei.com/premium/news/190102/prm1901020001-n1.html

目指せデータサイエンティスト
データサイエンティストというと、高度な分析技術を有する優秀な科学者というイメージがある。ビッグデータから有益な情報を見つけ出す(データマイニング)。RやPhythonを駆使するイメージがある。そのようなツールは使えるに越したことはないが、現在は売り手市場なので、高額報酬を期待したいならデータサイエンティストは狙い目の選択肢だという。
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 出典:https://www.sbbit.jp/article/cont1/35466

FBは独禁法とプライバシー保護が課題。
日本では2011年3月11日の東日本大震災が発生したときに、安否確認が簡単にできるということでFBやTwitterが注目された。今も、国内ではよく使われるエリアとそうでもないエリアがある。前者は被災地だ。しかし、そんなFBも国内ではLINEやTwitterやインスタグラムなどのSNSに押されている感じだ。露骨な広告に嫌気を感じるユーザも多い。日中韓以外のアジア諸国や欧米諸国ではFBの利用率は非常に高いが、かつての勢いはない。現在の課題は独占禁止法とプライバシーの保護だ。
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 出典:https://www.sankei.com/politics/news/190417/plt1904170027-n1.html

AMAZONは最強、でも、4兆円の離婚がリスク。
デジタル広告の世界ではアマゾンはうまく検索連動広告を実現している。PCやスマホで簡単に注文できるし、そのキャンセルも比較的簡単だ。楽天でキャンセルしようとしたら煩雑だったので、そのあとは原則AMAZONにした。ALEXA経由でも注文できるが、間違ってオーダーすることもあるかもしれない。AMAZONではALEXA経由の方式を奨励するために、無条件に注文をキャンセルできるという。知らなかった。
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 出典:http://blog.livedoor.jp/zzcj/archives/51993516.html

Appleはセンスが良い。米中貿易摩擦がリスク
日本ではiPhoneが好きな人が多い。特に若い女性はiPhone大好きだ。Appleでは、パソコン(Mac)や時計(Apple Watch)なども販売しているが、iPhoneへの依存度は半分以上と高い。個人的には、遅くとも10年内にはApple Carが実現すると期待している。
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 出典:https://iphone-mania.jp/news-126801/

Googleは検索事業がダントツだけど成功事業が少ない。

検索の世界ではダントツだ。これほどダントツの事業者は珍しい。しかし、Googleで成功した事業は少ない。GドライブやGマップは成功だけど、Google+は不調だった。クラウド系も期待ほどではない。傘下に入れたYouTubeははさすがだけど、高田教授からの評価は想定以上に低かった。個人的には、PCやスマホに続くプラットフォームの本命はモビリティだと思う。Apple Carはスタイリッシュなイメージだけど、Google Carは今のところ可愛い感じだ。Googleが狙っているのはEVのOSだ。GoogleがOSを無料で提供して、EVメーカーがEVを開発して提供するという関係だ。スマホで成功したモデルだ。
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 出典:Google自動運転車の10月度月次報告:事故ゼロ、ハロウィンは役に立つ | TechCrunch Japan

テスラの自動運転技術はGPUで画像処理がコア技術
今時のセレブはベンツではなく、テスラを選択するらしい。テスラが納車したEVは累計78万台に達する。購入時に追加料金を支払うと、最新の自動運転機能がインストールされる仕組みだ。テスラはマネタイズを頑張っているけど結果としてのファイナンスが弱い。テスラがこけてアップルが救済すると最強の提供者になりそうだ。テスラの自動運転走行実績はすでに30億キロメートルを超えており、後続を突き放す。
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 出典:https://forbesjapan.com/articles/detail/30787

Traffic Acquisition Cost (TAC)
TACは、ネットワークのトラフィックを獲得するために支払うコストのことだ。例えば、アフィリエーターやパブリッシャーやサードパーティの企業などに支払うコストだ。

課題
今回は、次の2つの課題だ。締め切りは次回の講義までだ。
 課題1:ホリスティックなアプローチの代表例をA41枚程度にまとめる。
 課題2:前回と同様に資産運用を考える。候補は電通博報堂サイバーエージェントの3社だ。それぞれについて70字程度でまとめる。

まとめ
今回の講義も面白かった。ただ、書きにくい部分は割愛したので、本来の講義のエキセントリックスな魅力を再現できないのが少し残念だ。最後にYouTuberの話になった。3000万人に対して、CTR1%だと30万人がクリックする。しかし、最近はCRT率が80%を超える熱烈なファン的なセグメントがあるという。このようなCTRだとニッチな話題で対象が50万人でもCRTが80%だとすると、40万人がクリックする。こちらの方がクリックする人が多くなる。データサイエンティストを目指すには、得意のフィールドに絞り、自らの課題を解決するべきだ。トライの価値はありそうだけど、企業に雇って貰う必要があるし、実際のデータから新事実を見つけ出す必要がある。後者には興味がある。自分の得意な分野で実績を重ねて実力を磨くことが先決だろう。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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 出典:http://www.seoaxis.com/knowledge/modules/plzSeo/223.html

データマイニング#1を受講して

はじめに
豊田教授の授業はこれで3つ目か。最初のベーシックは取らなかったけど、その後のデータマーケティングと、ビジネスデータ分析(アドバンスト)を受けた。そして、今回はよりステップアップするデータマイニングだ。残念ながら本日の二回目は参加できないけど、これからの講義が楽しみだ。

非負と離散データ
最初に話があったのは「非負」データだった。つまり、販売数とか、来客数とかは、普通はマイナスにはならない。0を含む整数だ。これを非負と呼ぶ。離散データは、非連続なデータだ。整数も離散データだ。

単峰と複峰
データマイニングの醍醐味は、あまり認識されていないけど価値のあることを見つけることだ。一般には、データには傾向がある。単峰とは、そのピークが一つのものだ。しかし、データによっては2つ以上のピークがある。これを複峰と呼ぶ。そして、この複峰を見つけた時は快感だ。だって、その理由を紐解くときっと何か原因がある。お宝の匂いがする。

分布の種類
(1) 正規分布

少し学生時代に習ったことをおさらいした。一般的なのは、正規分布だ。これは平均値と標準偏差値を与えると決まる。正規分布が2つというと、正規分布の加法性を思い出す。しかし、勘違いしていた。別に、2つの正規分布を足すと別の正規分布になるわけではない。2つの異なる母集団からそれぞれ一つづつサンプルを選び、その合計値を計算すると、その合計値の分布も正規分布になるというものだ。似て非なる考えだ。
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 出典:ブンさんの家宝じゃないよ、分散の加法性! (3/4) - MONOist(モノイスト)

(2) 二項分布
二項分布とはコインの表裏のように1か0しかない事象の統計的な分布だ。それぞれの確率は50%ずつだけど、例えばそのコインを何度も何度も投げて面が出る確率を調べると、下の図のようになる。赤は5回、青は10回、緑は20回投げた時の分布だ。試行回数が増えると極大値が右方向にずれて、そのばらつきも大きくなる。
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 出典:[Excel] BINOM.DIST:二項分布 (Binomial Distribution)

(3) ポアソン分布
ポアソン分布とは、定数λ>0に対して、確率変数xが下の式を満たすとき、確率変数xは母数λのポアソン分布に従うという。ポアソン分布は、一定期間の中で発生する事象の数などを示すのに適している。
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 出典:13-3. ポアソン分布 | 統計学の時間 | 統計WEB

データマイニングと実験データ分析
何か仮説を持って実験したり、アンケートを撮ったりして、その仮説が正しいのかどうかを検証する。つまり、データを創造して、仮説を検証する。一方、データマイニングは、ビッグデータがあるので、そこから何か知見を見つけて欲しい。何か面白い傾向がないか分析して欲しい。そんな風にデータがまずあって、そこから宝探しをする。そんな違いがある。

宝探し
ビッグデータからお宝を探す有効な方法はデンドログラムだ。決定ツリーともいう。与えられたデータから決定ツリーを分析する。それぞれの要素の相関関係を調べてどの要因が支配的かを分析する。そんなことが重要だ。

まとめ
データマイニングは、お宝発見のための手法だ。又、今回は理解度が不足するため補足説明やコメントを割愛して、7つのキーワードと参考画面と出典を以下の参考に示す。本日が第二回目だけど、都合により出席できないのが残念だ。なかなか奥が深いけど面白いと思う。

(参考)
1) チャンス発見学
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 出典:www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp

2) AIC(赤池情報基準)
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 出典:https://www.slideshare.net/tomokimatsumoto37/waicwbic

3) ランダムフォレスト
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 出典:https://kizuna0808.wp.xdomain.jp/statistics/438

4)スモールデータ分析
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 出典:https://www.juse.or.jp/departmental/point02/05.html

5) 質的比較分析(QCA)
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 出典:https://www.citation.co.jp/topicshtml/質的指標を用いた映像ソフトの要素分析/

6) CiNii
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 出典:CiNii Articles - 日本の論文をさがす - 国立情報学研究所

7) 特許情報の活用
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 出典:https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/chizai_bunkakai/document/10-shiryou/05.pdf

小川孔輔教授の講義#1を受講して(2/2:ビジネスイノベーター育成セミナー)

hiroshi-kizaki.hatenablog.com
小川教授の講義は面白い。長くなったので、2つに分割しました。これは上のブログに続く後半です。

マクドナルド兄弟
マクドナルドを1940年に創業したのはマクドナルド兄弟だ。それまでのレストランは、ウェイターが注文を取って、運んでくれるが、届くまでに時間がかかるし、注文を忘れられることもある。そんな課題をスピードサービスシステムという画期的な仕組みを考案して解決した。しかし、立ち上がりも順調ではなかった。そもそもファーストフードという文化がない。面食らった客からはクレームの嵐だ。しかし、マクドナルド兄弟が元の店舗に戻そうとしたときに一人の少年がハンバーガーを食べたいと注文にくる。追い返すのも可愛そうなので作ってあげた。子供は喜んだ。そうしているうちに別の客がまた一人。また一人。マクロドナルドの誕生だ。難産の上に誕生したマクドナルドがお客様に、アメリカ市民に受け入れられた瞬間だ。ついうるっときてしまう(笑)。
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 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/マクドナルド#開業

テニスコートでシミュレーション
ファーストフードのコンセプトを実現するためにマクドナルド兄弟が選んだ場所はテニスコートだ。ここに実際の店舗を想定して、肉を焼くところ、パンにピクルスを置くところ、フライドポテトを揚げるところを設定し、アルバイトの人に協力してもらって動線検討を繰り返した。テニスコートトライアンドエラーを六時間繰り返して完成形ができた。世界初のスピードシステムだ。1940年と言えば第二次世界大戦前だ。豊かなアメリカへの高度成長が始まる波にぴったりはまったのだろう。
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 出典:youtube

ハンバーガー帝国のヒミツ
マクドナルド兄弟はカリフォルニアで着実に直営で店舗を広げようとしていた。そして、その仕組みの素晴らしさに着目したのがレイ・クロックだった。その仕組みを真似する人は多かったが成功しなかった。レイ・クロックは、マクドナルドの成功のキーとして、ゴールデンブリッジのトレードマークと、仕組みと、マクドナルドという店舗名の響きに感じていた。なので、模造のサービスを展開するのではなく、フランチャイズ方式を活用したマクドナルドの店舗展開にかけた。最初は定番の資金繰りに苦労したが、人材にも恵まれて、マクドナルドのビジネスを成功させた。

フレッド・ターナ
映画の中でクロックが最初に手がけた店を仕切るフレッド・ターナー夫妻が紹介される。このターナこそが、マクドナルドのQSC(Quality Service Cleanliness)を提唱した人物だ。クロックはターナーを二代目のCEOに任命し、ターナーはその期待に応えて店舗を世界118カ国に展開した。
 出典:https://biz-journal.jp/2017/08/post_20116_3.html

人生は心の持ち方で変えられる
レイ・クロックがマクドナルド兄弟と出会ったのは52歳の頃だ。当時のアメリカなら引退する時期だ。しかし、レイクロックの起業家魂はここから本領を発揮する。信条としたのはエマーソンの言葉だ。起業家にとって大切なことは熱い志と冷静なプランだと別の授業で教わった。レイ・クロックには少なくとも燃えるような熱い志はあった。映画ではこれを根気と訳している。しかし、Persistanceはもっとドロドロとした絶対にあきらめない心、何を捨ててもこのビジネスだけは絶対に手放さないという執着心を感じる。ちなみにエマーソンとは、ラルフ・ウォルドー・エマーソン(1803年5月-1882年4月)のことだ。アメリカの哲学者であり、思想家であり、詩人だ。ハーバード大学を18歳で卒業するという超天才だ。レイ・クロックとエマーソンは対局の人だと思うけど、面白い組み合わせだ。
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 出典:ラルフ・ワルド・エマーソン - Wikipedia

孫正義柳井正も憧れたレイ・クロックの秘密
小川教授の講義の中でも話されたことの中のいくつかは、東洋経済に小川教授が書いた記事の中に見つけることができる。詳しくはこちらもどうぞ。
 出典:孫正義・柳井正も憧れたレイ・クロックの真実 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

まとめ
小川教授の講義の面白さの少しは伝えることができただろうか。なお、このブログは受講メモではない。講義を受けて感じたことをネットで裏どりしながらまとめたものなので、至らぬ点や間違いがあれば自分のミスだ。面白いとしたら小川教授のおかげだ。来週からの講義が楽しみだ。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

追伸)マクドナルドビジネスはドラマの集合体だ。調べるほど面白い。

糟糠(そうこう)の妻
レイ・クロックの妻はジェーン・ドビンズ・グリーンで、糟糠の妻と呼ばれる。糟糠とは米かすのことだ。つまり、辛く貧しい時代を共にした妻なので、出世したからと行って追い出すわけにはいかにないと言われる。また、レイはジェーンと離婚してトロフィーワイフとしてフランチャイズのオーナーの妻だったジョアンと再婚する。動画では、ピアノをレイと楽しそうに連奏している。でも、これにも裏話があって、ジョアンとはジェーンよりも先に知り合い、プロポーズしていたが、ジョアンの両親に断られて、ジェーンと結婚した。しかし、ビジネスに成功すると、ジェーンを離縁して、以前から大好きだったジョアンと結婚した。しかも、いわゆる略奪婚だ。英雄色を好むというが、まさに欲望の塊のような人物だけど、同時に起業家としての才能にあふれていたと言える。
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 出典:YouTube

マクドナルド兄弟のその後
兄のモーリス・マクドナルドは、1971年12月11日に69歳でカリフォルニア州リバーサイドで心臓発作で亡くなった。その13年後の1984年11月30日には、弟のリチャード・マクドナルドは、ニューヨーク市グランドハイアットホテルで、当時のマクドナルドの社長エドレンシによって500億回目のマクドナルドのハンバーガーを提供されている。カリフォルニアで始めたハンバーガーが500億個まで行くとはマクドナルド兄妹もびっくりだし、嬉しかったと思う。
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 出典:https://www.elmundo.es/magazine/2004/244/1085657108.html

小川孔輔教授の講義#1を受講して(1/2:ビジネスイノベーター育成セミナー)

はじめに
今日の講義ではびっくりすることが3つあった。一つめは受講生の多さだ。事前エントリーしたのは60名。50名分の資料で5-6人不足したので、55-56人の参加。教室がほぼ満室だった。マンモス校とは比べようもないが、午前中の授業が4-5名と少数だったのでびっくりした。2つ目は、講義の進め方。メインは小川教授の講演だけど豪華なゲスト講師が毎回講演してくれる。これはお得だ。最後は、マクドナルドの歴史だ。全然考えたことがなかったけど色々と考えさせらるものがあった。

小川孔輔教授

現在通っている大学の名物教授の一人だろう。秋田出身だけど方言はほぼない。東大を卒業して、UCLAバークレー校に客員研究員になり、その後法政大学に戻り助手から教授に上り詰めた。専門はマーケティングだ。一言では言いにくいけど、なんとなく人を巻き込む魅力がある。単独の論文や著書よりも、共著が多い。自分に足らないところが何かをよく知っていて、ベストパートナーを見つけて、共に成長しながら実績を積んでいくことを得意技にしているように感じた。また、小川教授のブログは非常に内容が充実しているので、時間を作ってアクセスすることをお勧めしたい。
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 出典:http://kosuke-ogawa.com

講義の進め方と構成
全部で7回だ。初回は、7回の構成の説明と、小川教授が監修した図書をベースにした講義と、レイクロックを題材にした映画の視聴だ。

(1) リーダたちの羅針盤
下の3つの図書は全てビルジョージの著書だ。しかし、ビルジョージを検索するとなぜかウィリアムW.ジョージとでる。ジョージはハーバードビジネススクールの教授であり、同時にビジネスマンだ。1966年にMBAを取得した時には、最高の栄誉であるベーカー奨学生を授与されている。多くの本を書いているが、そのうちの一つがTrue Northだ。これは日本語で言えば真北だ。そして、小川教授はこれの監修をつとめている。翻訳したのは小林麻矢さんだ。非常に優秀な翻訳家だ。小川教授は原本を何度も何度も当然ながら読んでいるが、翻訳(監修)するときには、英語ではなく、日本語のみをみて、日本人が読みやすいように、理解しやすいように、誤解しないように日本語のブラッシュアップに徹底したという。確かに読みやすい。図表も適所に盛り込まれていてわかりやすい。
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 出典:amazon

本物のリーダへの旅
この「リーダたちの羅針盤」の中(P66)に本物のリーダへの旅に関する記述がある。ビルジョージは30+30+20という。小川教授は25+25+25という。人によって多少のブレはあるかもしれない。しかし、大事なことは人生を3つに区分することだ。つまり、最初の30年は性格形成や自己練磨。リーダになるための準備をするフェーズ1だ。次の30年はリーダへのステップアップだり、リーダとして実力を発揮するフェーズ2だ。最後の20年間は次世代の育成や知恵の還元となるフェーズ3だ。後継者を育てるときも、自分の直系だけを優遇するようなことでは組織が衰退する。そうではなくて、異質な人を巻き込むことで化学反応が起きて組織は成長する。確かにMBAの教授人は多彩な人が多い。教授同士が切磋琢磨しているのを感じる。そんな環境を作ったのも小川教授の功績かもしれない。そんな教授人に教えを得られる我々は幸せだと感じる。感謝の念に絶えない。自分は後継者を育てる年代だけどまだまだやりたいことも多い。

(2) 7回の構成
・11/16:初回だ。この後はマイケルキートン主演の動画を拝聴する。
・11/23:2回目は有限会社フローラ21の社長の講演を聞いて、その後討議
・11/30:3回目は日高屋の神田正会長の講演と討議
・12/7:4回目はランニングビジネスのアールビーズの橋本治朗社長の講演と討議
・12/14:5回目は建設現場に立つ女性を応援する有限会社ゼムケンの籠田淳子社長の講演と討議
・12/21:6回目は富士製油グループの清水洋史社長の講演と討議
・1/11:7回目はオイシックス・ラ・大地株式会社の高島宏平代表締役の講演と討議

(3) ファウンダー:マクドナルド帝国のヒミツ
あなたはマクドナルドの創業者をご存知でしょうか?それは誰でしょうか?そんなことを知り、悩み、考えさせる動画をみた。2017年4月に放映された。下のYouTubuでその予告編を視聴することができる。これは必見の動画だ。
 出典:www.youtube.com

レポートと評価
ゲストスピーカーの講義を聞いた後にグループで討議を行う。どのようなメンバーにグループ分けするかは後ほど展開される。そして、グループワークの成果をプレゼンして、2回に一回の頻度でレポートを出すようだ。

(1) 11月23日以降のタイムスケジュール
 13時講義開始
 13:00-13:10 講師紹介
 13:10-14:20 ゲスト講師による講義
 14:20-14:40 質疑応答
 14:40-14:50 休憩
 14:50-15:40 グループワーク
 15:40-:16:30 発表

(2) 次回の講義の準備
配布された資料を読む。スターウォーズのエビソード5帝国の逆襲を見る。特にエピソード4〜6の主人公であるルークスカイウォーカーと、生ける伝説と称されるジェダイ・マスターであるヨーダの関係を理解しておくこと。

(3) レポートの提出
レポートは提出期限を過ぎてしまっても必ず提出するべきとのこと。欠席のためにレポートを書けない場合には別途題を出すのでTAの長谷川さんに連絡すること。時々名前も学生番号も記載のない人がいるらしい。忘れずに記載しないと提出していないことになるので要注意。電子媒体ではなく、基本は印刷物で提出する。今回は、「マクドナルド兄弟とレイ・クロックのどちらが創業者か?起業家としてのクロックをどのように評価するか?」が課題だ。A4で1枚程度にまとめて印刷して次回提出する。

(4) プレゼンについて
プレゼンには必ず、日付、テーマ、グループ名、メンバー名、発表者名を明記する。発表者が全員の場合には、全員の名前を書く。発表の機会は複数回あるので、少なくとも1回は発表すること。関与していないフリーライダーはわかるので、減点の対象となるので要注意。
 
社長の5つのタイプ
小川教授の調査によると社長には5つのタイプがある。①創業者経営者、②後継経営者、③サラリーマン経営者、④娘婿の社長、⑤プロ経営者の5つだ。そして、もっともパフォーマンスが高いのは④の娘婿のタイプだという。

娘婿タイプの経営者
①の創業者は文字通りゼロから出発なので成功している場合にはパフォーマンスが高い。小川教授の調査ではその他の企業よりもROAで平均6.8%ほど高いという。これを除くと、④娘婿タイプの社長がそれとほぼ同等の業績を残している。日本は100年企業が多数存在している国だが、これを支えた秘密の一つは入り婿制度だと思う。鈴木自動車では二代目社長の鈴木俊三も、三代目社長の鈴木修も娘婿だ。講談社の創業者は野間 清治(1878年12月-1938年10月)だが、5代目の社長の野間惟道(1937年11月-1987年6月)は娘婿だ。旧姓は阿南で東京大学卒業、父は陸軍大将の阿南惟幾だ。なお、野間惟道の急死を受けて、奥様(4代目の娘)の野間佐和子が6代社長に就任し、村上春樹著のノルウェイの森など多くのベストセラーを発刊した。海外でも事例がある。ウオールマートの創業者はサム・ウォルトンであり、二代目は息子のS.ロブソンウォルトンだが、三代目はその娘婿のグレゴリーB.ペナ(1969年12月生)だ。

意外と受難なプロ経営者
プロ経営者というと誰が思い浮かぶのだろう。ローソンの社長からサントリーホールディングの社長に就任した新浪剛史だろうか。アップル社長、マクドナルド社長、ベネッセ社長を歴任した原田泳幸だろうか、話題のカルロスゴーンだろうか。成功をあげた優秀な経営者でも100発100中は無理だ。無理を重ねたり、傲慢になったり、失態を露呈したりする事例に快挙のいとまがない。なかなか難しい。
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 出典:https://toyokeizai.net/articles/-/118979

原田泳幸さんの後に続くのがマクドナルドというのも奇遇だ。後半は下のブログに続く。
hiroshi-kizaki.hatenablog.com

デジタル広告#1の授業を受けて

はじめに
2019年秋期後半の2科目目はデジタル広告とした。広告については全くの素人だけど、デジタル広告なら少しはついていけるかもしれないと思ってエントリーした。エントリーした生徒は9名ということだったけど、昨日参加していたのは日本人3名と中国人2名、TA(アシスタント)と高田先生の7名だった。

高田勝裕客員教授
講師の高田教授は元気だ。はちゃめちゃなタイプを演じるのも上手そうだ。1977年生まれなので、油が乗っている時期だ。博士過程の2009年にKauli株式会社を創業された。卒業してから創業ではなく、創業してから卒業というのがすごい。もともとは文系で、その後理系に移られたので両方の側面を理解できるのが高田教授の強みだ。
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 出典:http://www.im.i.hosei.ac.jp/educational_program/teacher/髙田勝裕/

社会人学生への期待
受講生はほぼ社会人学生だ。高田教授は、社会人学生を「自らの於かれたビジネスを考えて実際に行動する人」だと定義する。そのために、学生には常に高い目標を持ってほしいとエールを送る。素直な自分はついその気になってしまう。後述するように、ネット広告ではまだまだ自分は若い人間と判断されているようだ(笑)。

リアルタイム入札(RTB)
高田教授は、日本で初めてリアルタイム入札(RTB)に対応する取引を実現した。RTBが登場する前は、人手処理によって入札価格を集計して判断していたが、それを自動化した。しかも、それを独自に開発したSSPで実現したのがすごい。下の図は一般的なRTBの概念図だが、Kauliは2万を超える広告主が利用する広告配信プラットフォームに成長した。最大で2.5億を超えるメッセージを利用者に届けたが、2015年には株式会社VOYAGEグループに売却した。この潔よさもすごい(笑)。
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 出典:https://satori.marketing/marketing-blog/ad-technology/rtb/

アフィリエーターの勧め
会社を経営するのは大変だ。従業員には会社員に向いている人もそうでない人もいる。仕事が面白くて忙しいとどうしても業務も過酷になる。ついていけない社員に対しては、別の道を探すように勧めるという。例えば、アフィリエーターだ。これはいわゆる成果報酬型の事業だ。下の図にあるようにアフィリエーターはアフィリエイトサービス会社(ASP)に登録する。そして、一般の利用者がクリックしたり、サービスを購入すると一定の報酬を受け取る仕組みだ。隙間時間にできるとか、時間の拘束がないのがメリットだ。高田教授は500万円ぐらいならいける。年収1億円稼ぐ人もいるという。ただ、ネットで見ると月額100万円以上稼ぐのは全体の10%程度だ。しかし、逆に言えば、ターゲットとするマーケットを絞り込み、その分野のトップサイトになれば、それなりに稼ぐことも可能なのかもしれない。しかし、そのためには若干のテクニックとコツと根性がいそうだ(笑)。
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 出典:https://www.kagoya.jp/howto/webhomepage/affiliate/

年齢の推定アルゴリズム
広告主から見ると、利用者の属性を知りたい。でも、なかなかしれない。そのために某広告会社の子会社かどこかだと思うけど、下のAudienceOneでは広告設定が可能だ。「ログインせずに利用する」とクリックすると、クリックした人が広告主から見て想定している属性を確認することが可能だ。自分は精神年齢は若いと思っているけど、22-29歳は若すぎ君でしょう。なお、PCからだと問題ないがスマホだと微妙かもしれない。特に、個人情報の秘匿を進めるiPhoneだと推定結果が表示されない。これは利用者にとっては安心だけど広告主の立場だとヤバイ!
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 出典:https://feedback.impact-ad.jp/login

デジタル広告の特徴
これまでのメディアなら利用者はその広告を共有できた。同じ新聞や同じテレビを見ていたら、同じ広告を見るので、その広告の話で共感することができた。しかし、今のデジタル広告は個別だ。子供たちがスマホYouTubeを見るときに表示される広告も一人ずつ違う。なので、子供たちはYouTubeでどんな広告が流れているかを大人に知られるのを嫌がる。だって、どんなことに興味を持っているのかは広告を見ればわかるからだ。これはやばい。

不景気はもうすぐ
企業の業績が少しずつ悪化している。業績が悪化すると何を切り捨てるか。それは広告費だ。そのため、広告費は好況や不況の先行パラメータとなっている。現在は、広告費がどんどん減少している。これはどういうことか。もしかすると不況は近いのかもしれない。

不況は起業にとって好機か
高田教授が起業した2009年はリーマンショック後の不況の時期で大変だった。特に資金繰りは大変だ。しかし、これをクリアできるのであれば、競争相手は少ないし、優秀な人材を採用できる。経済の歴史を振り返ると、大きく業績や業容を拡大するのは不況の時期だ。だって、苦しくなった企業を救済という名目で安く買い叩ける。閉店した店舗や工場を安く調達できる。資金を持っている人から見たら、こんなチャンスはない。

R・RStudioの利用
今回の授業ではRStudioのインストールを求められた。すでにRStudioをインストールしている生徒には、新たな課題が与えられた。仮に100万円持っているとする。10年間運用するという前提で、GAFAに一定の割合で投資したい。どこに投資するか?その理由をレポートしろというものだった。レポート数枚かと思ったら数行で良いということだったので、安心した。IRは情報の宝庫なので、IR情報はチェックするように求められた。皆様だったどうしますか?私は、Googleに100%投資することにした。理由は秘密(笑)。

まとめ
このデジタル広告は、予想外に面白い。講師の高田教授のキャラクターも面白いが、その授業のテンポがいい。前半は講義で、後半はRを使った実習。その週のトピックを選んで先生が解説してくれる。来週の講義が楽しみだ。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

技術イノベーションの講義を振り返って

はじめに
玄場公規教授の授業は面白い。最初はそれほどでもないが、途中で乗ってくると、まるでターボが働きだすかのように一気に加速する。話が面白くなったらさらに面白くなる。簡単にレビュしておきたい。

本講義の目的
企業が技術開発を実施し、それをイノベーションに結ぶつけるまでには、様々な不確実性が存在する。本講義ではその不確実性を克服し、イノベーションを実現するための戦略論を提示する。

講義の進め方
基本的には、講師によるケーススタディを中心とする授業と、グループディスカッション。ゲストスピーカーによる講義も予定する。今回のゲストは10月26日でテーマは健康経営だ。結構面白かった。これはブログにすぐにまとめた。
hiroshi-kizaki.hatenablog.com

初回(9月21日)のキーワード
 スピンアウトとトリクルアップ
 ショートサイクルモデルと異業種間競争
 リニアモデルと需要表現
 持続的イノベーションと破壊的イノベーション
 バリューネットワークとクリステンセンの低減

2回目(9月28日)のキーワード
 技術融合とメカトロニクス革命
 パラダイム変化とモジュール化
 モジュールとインテグラ
 オープンアーキテクチャ

3回目(10月5日)のキーワード
 研究開発多角化データ
 多角化と収益性
 技術機会と多角化
 コアコンピタンス多角化

10月12日は台風直撃により休講

4回目(10月19日)のキーワード
 オープンイノベーション
 徹底した外部活用
 大胆な権限移譲
 
5回目(10月26日)外部講師のキーワード
 起業とベンチャー戦略論
 ヘルスケアと技術イノベーション
 企業を成長させる健康経営

6回目(11月2日)のキーワード
 環境イノベーション
 Porter仮説
 コストリーダシップと差別化戦略
 グリーンサービサイジング
 環境経営と利益
 CSRCSV

7回目(1月18日)

レポート提出課題
 講義中に提示した概念・基礎理論を用いて「日本企業のイノベーション戦略場の課題と今後の展望」について論じること。A4用紙で5枚程度。

まとめ
玄場教授の講義は初めてだったけど結構面白かった。ケーススタディに基づく講義が多く、ここは結構ディープな話題も多かった。キーワードを列挙してみると、全貌がわかりやすい。補講をするタイミングがなく講義が終わるのは1月18日だけど、レポート課題は12月21日だ。当初は11月30日だったけど、それは厳しいと交渉すると12月に伸ばしてくれた。ありがたい。でも、どのようにまとめようか。うーん。結構むずい。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。