LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

演算法や帰納法はもう古い?!

はじめに
春の授業も2週目に突入した。前回出された宿題を提出して、指名された人が発表して、先生が講義して、グループ演習して、そして、今日のまとめをして終わり。だいたいそんな感じだ。

宿題の提出
前回の宿題のテーマは、渡された論文の内容の要約を示すとともに、自分のプロジェクトの概要と課題(JTBD=Jobs to be done)と、それをどのように解決するのか、そして、その結果どのような効果(VP=Value Proposition)を得られるのか。そんなことを各自がA4の裏表に記載して提出する。

宿題の発表
幸か不幸か自分は指名されなかったけど、指名された人は3分ほどで発表する。そのあと発表内容に対して質疑応答を行う。だいたい、一人10分かかる。4人ほど発表したところで次に進んだ。挙手ではなく発表者を先生(実際はアシスタントのTA)が指名するのは、実に日本的だ。

演算法と帰納法と第三の方法
(1) 演算法(Deduction)

有名なのは、ソクラテスの論法だ。人は死ぬ。自分は人だ。だから自分は死ぬ。そんな風に論理を積み上げる。先生によれば、30年前の人工知能はこのようなルールベースで処理した。しかし、ルールを入れるのが大変だし、入力したルールが間違っているとダメだ。広辞苑を全て入力したって人工知能が正常な判断をする訳が無い。下の表は、演算法と帰納法のメリットとデメリットをわかりやすく比較している。
f:id:hiroshi-kizaki:20190417121906p:plain
 出典:画像 : 推論の基本「演繹法」と「帰納法」を使い分けて考える力を身につけよう - NAVER まとめ

(2) 帰納法(Induction)
17世紀の英国思想家フランシス・ベーコンが経験則を理論的に解釈するための仮説として導入した。複数の結果や事実からルールを見つけて、論理展開する。現在の人工知能機械学習には、教師あり学習教師なし学習があるが、この帰納法はいわば教師なし学習だ。膨大なデータから傾向を見つけて、それをルールとするものだ。
f:id:hiroshi-kizaki:20190417082101p:plain
 出典:https://www.ashita-lab.jp/special/5414/

(3) 第三の方法
演算法を英語でDeductionという。帰納法は英語でInductionだ。そして、第三の方法は、Abductionという。abとは反対という意味だ。適当な日本語がなく、カタカナで「アブダクション」という。強いて言えば逆演算法だ。多くの仮説を検証することで結論を得る。20-30年後の人工知能がこのアブダクション方式に対応すると、人間と同等かそれ以上のロジカルシンキングができるということになるかもしれない。

来週の宿題
自分のプロジェクト(卒論のテーマ)に対して、論理のメカニズムを図にする。パワーポイント1枚程度にロジックを示し、残り1枚は表紙だ。名前やプロジェクト名、プロジェクトの内容などを簡単に記述する。今回と同様に用紙に印刷して、持参し、指名されたら発表する。そんな感じだ。

まとめ
演算法と帰納法は知っていたが、アブダクション法は初めて聞いた。第三の方法はないのかと先生に質問しようと思ったら、説明があった。現在のAIでは、相関関係は分析できるが、因果関係は分析できない。個人的にはヒステリシスの傾向を分析すると、因果関係を究明できるようになると考えている。しかし、このアブダクション法を活用する方が現実的かつ早いかもしれない。また、今回の授業にはなかったが、消去法とか、パラドックスなどの話題も追記しておきたい。

以上

追記1)ヒステリシス分析
ヒステリシス分析とは、例えば、勉強時間と成績に一定の相関関係があるというのは理解できるが、勉強時間を1時間増やすと成績はどうなるか、逆に1時間減らすとどうなるかを統計的に分析する方法だ。例えば、毎日1時間勉強する人が2時間にする。2時間を3時間にすると成績は上がるだろう。しかし、3時間を2時間にしても、すぐには成績は下がらない。2時間を1時間にして、時間が経過すると成績は下がる。回帰直線にまとめるのではなく、ヒステリシス特性に当てはめる。そんな風に勉強時間と成績の動きを分析すると因果関係を示せるのではないだろうか。
f:id:hiroshi-kizaki:20190417122658p:plain
 出典:ヒステリシス - Wikipedia

追記2)消去法
複数の選択肢を示し、そこから不適切な選択肢を消去していく方法だ。問題は、正しい選択肢が本当にあるのかどうかだ。また、選択肢の順番に影響を受けることもある。しかし、選択肢を与えるというテクニックは実社会でも役にたつ。例えば、デートに誘う時に、複数のデートのパターンを示して、それを選んでもらう。どの選択肢であっても、選択してもらえたということはデートが実現するということだ。つまり、目的は達成される(笑)。

追記3)背理法
有為性があるかどうかを統計的に判断する時に用いるのが、この背理法(proof by contradiction)だ。例えば、ある命題を証明したいときには、その命題が偽であると仮定する。そして、そこから矛盾を導き、命題が偽であるという仮定が誤りであると証明する。つまり、命題は真となる。これは無実の証明が難しいので、二重否定の論法であり、帰謬法とも言う。
 出典:背理法 - Wikipedia

追記4)パラドックス
一見正しそうに見える前提と、妥当に見える推論から、とんでもない結論を導くことをパラドックス(paradox)という。これは論理だけではなく、下の写真のように、一見ありえない構造物もパラドックスと言えるかもしれない。
f:id:hiroshi-kizaki:20190417082649p:plain
f:id:hiroshi-kizaki:20190417082734p:plain
 出典:パラドックス - Wikipedia

追記5)フェルマーの最終定理
直角三角形の垂直な二辺の二乗の和は、残る一辺の二乗に等しい。垂直な二辺をxとyとして数式で書くとx^2+y^2=z^2となる。フェルマーの最終定理とは、これを二乗ではなく、3以上の自然数n乗とする。つまり、x^n+y^n=z^nとなる自然数の組み合わせ(x,y,z)は存在しないという定理だ。17世紀フランスの数学者ピエール・ド・フェルマーが驚くべき証明を得たと宣言したが、詳細の証明がないため、フェルマー予想と言われた。そして、それを完全に証明したのが、イギリスの数学者であるアンドリュー・ワイルズ(1953年4月生)だ。1993年の講演では、モジュラーでない楕円曲線をモジュラーである楕円曲線に変換することを考えたが挫折した。1994年9月には、岩沢理論によるアプローチを可能にすることで証明した。1995年に論文が審査され、証明は確認された。今後、人工知能が革新すればフェルマーの定理も簡単に証明するようになるのだろうか。多分、まだ数十年はかかりそうだ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

二度漬け禁止やでの串カツ田中

はじめに
最近、串カツ田中が気になっている。お家の近くの串カツ田中は、小さな子供を含めた家族の憩いの場になっている。以前は男性を中心とする大人の憩いの場だったはずだけど、どうしたのだろう。そもそも串カツ田中ってなに?少し調べてみたら、大阪のお父さんから娘さんへのレガシーがきっかけという美談だった(笑)。

大阪名物串カツ田中
ホームページをチェックしてみると、10周年となっている。大阪では串カツは二度漬け禁止が有名だ。大阪のお店が東京に進出したのかと思っていたけど、違っていた。第一号店は2008年12月に東京の世田谷で開店していた。
f:id:hiroshi-kizaki:20190416140010p:plain
 出典:大阪名物伝統の味|串カツ田中

串カツ田中の沿革
現社長の貫啓二が個人でショットバーを開業したのが始まりで、これが1998年11月。うまくいかないのに、今度は京料理に進出する。これが2004年3月。7000万円近くまで債務はどんどん膨らむ。そんな時に現在の副社長である田中洋江さんから「串カツ」を勧められる。田中さんは大阪生まれで、小さな時からお父さんに連れられて串カツを食べていた。それがきっかけだという。
f:id:hiroshi-kizaki:20190416141223p:plain
 出典:株式会社串カツ田中ホールディングス|COMPANY 会社概要

成功の秘密は田中お父さんのレガシー
貫社長は、田中さんの助言を受けて串カツにトライするがそう簡単ではない。自分で食べても美味しくないのだから商売にはならない。借金が7000万円を超えた時に奇跡が起きた。何が起きたかといえば、田中さんのお父さんが遺した秘蔵のタレとレシピが偶然見つかった。そして、そのレシピの通りに作ってみると「おいしい」!!これはいけると350万円をかき集めて、2008年12月に世田谷線の世田谷のお店で開業すると大ヒット!すぐに350万円の借金を返して、二号店、三号店と広がった。大阪の岸和田には2014年7月に、名古屋の金山には同年9月に、さらには沖縄や北海道にも進出している。串カツ田中の快進撃の始まりだ。
 出典:串カツ田中がおいしいわけ、企業として伸びている理由(ガイヤの夜明け) - おしょぶ~の~と

どんな串カツが好まれているのか
串カツ田中では、注文は小さな注文用紙に本数をかく。調理人がそれをみながら一本づつ揚げる。そして、その用紙はゴミ箱にポイ。どうやって精算するのだろうと思ったら、1本百円(税別)なので、コップのような容器に残った串カツの本数を数えるだけだ。そして、自分が好きなのは、レンコンとか、玉ねぎ、えび、豚などだ。ネットで調べるとどの串カツが好まれていのか調査されたいた。レンコンが一位で、次が紅生姜、そしてアスパラだった。今度試してみよう。
f:id:hiroshi-kizaki:20190416145032p:plain
f:id:hiroshi-kizaki:20190416141842p:plain
 出典:串カツ田中が大調査。みんなの「好きな串カツ」ランキングが明らかに - Peachy - ライブドアニュース

串カツ田中の急成長
2008年12月に第一号店を出し、2015年12月には100店舗目を出店した。2018年7月には200店舗目を出店した。店舗数の増大に合わせて売上高も2017年11月決算で50億円を超えた。2018年11月決算では76億円を超えている。素晴らしい。
f:id:hiroshi-kizaki:20190416142250p:plain
 出典:売上高4割増、好調「串カツ田中」が抱える全席禁煙化で失速の試練 - まぐまぐニュース!

串カツ田中の決算概要
前述の通り2018年11月期の売上高は76.67億円を計上し、経常利益は7.0億円だ。経常利益率9.1%は立派だろう。自己資本比率も55.6%を維持している。素晴らしい。
f:id:hiroshi-kizaki:20190416143230p:plain
 出典:有価証券報告書

急拡大する借入金
下は、同社の有価証券報告書の負債の部の抜粋だ。真ん中の列が2018年11月期での負債、右側の列が2019年2月期の負債だ。やはり目に留まるのは借入金の拡大だ。返済期間が1年超の長期借入金は2.74億円から7.93億円と2.89倍に、1年以内の借入金は2.35億円から4.2億円に1.78倍だ。合計でも約2.4倍に増加している。
f:id:hiroshi-kizaki:20190416143656p:plain
 出典:有価証券報告書

家族向けの市場にロックオン
近所の串カツ田中はいつも子供連れの家族で賑わっている。なぜかといえば、2018年6月1日より、全店禁煙に踏み切った。また、子供が喜びそうなたこ焼きのメニューやソフトクリームを増やしたり、1111円で食べ放題メニューを打ち出したりしている。この企画力が素晴らしい。つまり、串カツ田中は、居酒屋チェーンというよりは、ファミリーレストラン業界に挑戦していると言える。すごい。令和元年11月1日には、また1111円キャンペーンをするのだろうか(笑)。
f:id:hiroshi-kizaki:20190416144502p:plain
f:id:hiroshi-kizaki:20190416144728p:plain
 出典:禁煙のお知らせ|串カツ田中

まとめ
平成の時代は失われた30年と言われることもある。政府は好景気を主張するが、国民の体感経済はやはり景気の停滞だろう。そんな中でも右肩上がりで急成長を実現した串カツ田中は素晴らしいと思う。そういえば、新宿三丁目には、立食のイタリア料理がある。行ってみると、そこは普通の店舗型と立食型の空間が混在していた。店舗型は落ち着いた感じだ。そして、立食型は超ニギニギだ。多くの若い男女や外人が食事とワインを楽しんでいる。番号札を渡されて、適当に注文して、最後にその札で精算をする。シンプルな方式だ。やはり顧客のニーズをしっかりと見極めて、期待を上回るコストパフォーマンスを実現する。そんなことが大切なのかなあと感じる今日この頃です。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。

インベスター必須の金融電卓(HP12C)

はじめに
昨日は、3つの講座を受講したが、その内最後の米倉先生の授業のことは先に書いた通りだ。1つ目は生産管理だった。自分の専門分野なので履修しようと思ったけど、米倉先生から英語の授業だけど、「Open Innovation」が面白い!と聞いたので、来週からはこれに変更する。ということで、残る2つ目の講座について少し書いておきたい。

ファイナンス
講師は、松田庄平教授(以下、「松田先生」という)だ。1954年兵庫県生まれで、一橋大学を卒業し、英国のLiverpool大学で博士課程を修了し、米国の公認会計士を取得し、英国のSurrey大学でMBAを取得し、香港のHSBC投資株式会社の社長を歴任されている。輝かしい経歴だ。身につけているスーツもピカピカだ。時計も立派だ。興味のあることは「チャリンチャリン」の音色。如何にして収益をあげるか、高めるかは職業病的な臭覚をお持ちのようだ(笑)。

CFA/MBA取得者は400万円ほど高額
日本では通じないが、米国ではMBAや会計のCFA協会認定証券アナリスト(CFA:Chartered Financial Analyst)であれば、同じ仕事をしていても400万円ほど高額の収入となるという。なぜなら、その人は財務的な根拠から経営判断をすることができるからだ。MBAでは、そのような能力や知識を得ることが重要だけど、松田先生の授業はまさにファイナンスの骨子を教えてくれる絶好の講義だ。

投資家の必須アイテム
授業が開始して、少しすると「投資家の仕事は何か?何をする人か?」という質問を生徒にされていた。答えは、企業価値を計算する」ことだ。そして、そのためにはツールが必要だ。それがHP12Cという電卓だ。アマゾンだと、最新のF2230Wが10,980円で購入できる。ほぼ1万円だ。しかし、最近だと、無料のスマホアプリがある。i-phoneだと、「Touch Fin RPN」という名前だ。もっとも高いFinancial Premiumでも600円なので、こちらにバージョンアップしても良いかもしれない。昔ならこのHP12Cを駆使できれば数千万円の年収を貰っていたという。
f:id:hiroshi-kizaki:20190414133849p:plain

HP12cのくせ
通常の電卓なら、1+1を計算するときには、「1」押下、「+」押下、「1」押下、「=」押下すると、画面に2と表示される。しかし、HP12cでは、「1」押下、「Enter」押下、「1」押下、「+」押下すると、画面に2と表示さえる。そして、さらに「10」押下、「+」押下で12となる。さらに「3」押下、「÷」押下だと4となる。つまり、画面に表示されているものに対して、ある数字を入力して、計算式を入力すると答えが出る。

現在価値の計算
今日100万円を得ることと、来年100万円を得ることと、10年後に100万円を得ることは同じだろうか。金利が0でない限りは同じではない。例えば金利が5%だとすると、10年後には162万円となる。そんなことがこの電卓を使うと簡単に計算できる。つまり、5つの項目のうち4つの項目を入力すると自動的に計算できるという仕組みだ。
1) n:繰り返しの数
2) i:金利(%)
3) PV:現在価値
4) PMT:支払額
5) FV:将来価値

演習
例えば、nに10、iに5、PVに100, PMTに0を入力すると将来価値(FV)はどうなるか?通常の関数電卓でも計算できるけど、HP12Cを用いると、単にこの4項目に数字を入力するだけで、FV=-162.9と表示される。つまり、100万円を金利5%で10年運用すると、1.6倍になる。また、特徴的で便利なのが、7%で10年と、10%で7年で共にほぼ2倍になる。これは覚えておくと便利かもしれない。
 
複利計算と単利計算
先の計算は複利を前提にしている。単利計算では100万円を10年間5%で運用しても150万円にしかならない。10ならわずか13万円ほどの差異だが、これは期間が伸びるほどに差異は広がっていく。
f:id:hiroshi-kizaki:20190414141904p:plain
 出典:利息のつき方は2種類ある!複利の商品を使って上手に資産を増やそう

ドーマーの定理
1914年4月生まれのロシア系米国経済学者エブセイ・ドーマと1900年2月生まれの英国経済学者のロイ・ハロッドは、ハロッド・ドーマーモデルを提唱した。単にドーマーの定理とか、ドーマーの条件とも呼ばれる。これは、財政赤字の維持可能性に関する定理だ。つまり、「毎年の国債発行がGDPの一定割合に留まるならば、国債残高の対GDP比は一定の値に収束して財政破綻は生じない」という概念だ。しかし、日本においては、「名目GDP成長率が名目公債利子率を上回れば、財政赤字は維持可能である」と解釈されている。いずれにしろ日本の財政状況は危機的だ。

PER10
最近のIT企業は株価をいかに高めるかをまず考える。それは時価総額を高めるためだ。ここでいう時価総額とは株式数x株価だ。一方、純利益とは、営業利益とか経常利益とかではなく最終的な税引後利益だ。そして、この時価総額と純利益の比率をPERという。例えば、純利益が1億円で、時価総額が10億円だとPERは10となる。したがって、ある業界のPERが15なのに、その業界のある企業のPERが10だとその企業の株価は格安となったりする。
f:id:hiroshi-kizaki:20190414143504p:plain
 出典:PER(株価収益率)を学ぶ (2)

日本銀行のバランスシート
これは昨年のGWの時期(2018年5月4日)のブログでも書いたが、日本銀行のバランスシートを見ると、国債が20年で8.7倍に増加している。つまり、1998年12月では52兆円だったものが、2018年2月には451兆円だ。しかし、これは日本銀行保有であって、国債および国庫短期証券(T-Bill)全体では1092兆3,556億円(2017年12月末速報)だ。
f:id:hiroshi-kizaki:20190414144944p:plain
 出典:『日銀保有の国債』と『社債買戻し』 | セカンド・オピニオン株式会社

平成29年度の予算
なかなかよい資料が見つからないが、下の資料によれば、平成29年度予算では借金の返済と利息が24兆円だ。これには元本返済分と金利分があるが、乱暴に計算すれば、24÷1092=0.022だ。つまり、2.2%だ。しかし、国債金利はそんなに高くない。一体誰がこの24兆円を受け取っているのだろう。
f:id:hiroshi-kizaki:20190414145533p:plain
 出典:国債とは一体何なのか - パチンコと借金の話

日銀の国債利息収入
2015年(平成27年)の4-9月期決算では、国債の利息収入が6,391億円という。通年では1.3兆円だ。4-9月期の平均国債保有残高は292兆円なので、金利は0.44%相当となる。これは、いわゆる「異次元の金融緩和」による結果だが、日銀がえる利息収入はどこにいくのだろう。新聞によると、通常なら国庫に納付するが、一部の引当金を政府に申請して、承認されたという。その金額は4-5000億円らしい。こんなところを気にするのは、SEとしては異端だけど、MBAなら普通だろう(^^)
 出典:日銀の国債利息収入、4~9月過去最大に 6391億円 :日本経済新聞

まとめ
フィナンスの最初の授業では、ファイナンスの意義と、HP12Cの使い方のドリルがメインだった。これを使いこなれば数千万円の収入を得られたような美味しい時代ではないけど、このツールは便利だ。また、日本の国債が約1000兆円あり、そのうちの約半分を日銀が保有している。そして、1.3兆円の金利を得ている。これ以外にも国家の歳入と歳出など、いわゆるマクロ経済の基本的な数値は頭に入れておく必要はありそうだ。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。

米倉誠一郎さんのイノベーションにかける想い(その2/2)

前半(その1/2)の続きです。
米倉誠一郎さんのイノベーションにかける想い(その1/2) - LuckyOceanのブログ

歴史から学ぶの観点から話はイノベーションの話へとどんどん展開します。

明治維新はイノベイティブだった
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とはビスマルクの言葉として有名だが、米倉先生も同じ思いから歴史を振り返っている。例えば、江戸時代から明治時代に移る時には、古い封建制度から近代的な社会に切り替わった。そしてこれを推進したのが下級武士だったというのが日本の特徴だ。日本古来の天皇制を尊重し(尊皇)し、日本を狙う海外の脅威に対抗する(攘夷)だ。特に、米倉先生が強調されたのは、この時代のイノベーションだ。つまり、武士という身分を7%の「のし」をつけて公債のようなもので買取り、さらには銀行を作り、その頭取には旧士族を当てた。旧武士の不満を収めるために西郷隆盛大久保利通が戦ったのが西南戦争だ。しかし、この二人は幼馴染だ。実は握っていたのだろうと推測できる。私も同感だ。
 出典:shibayan1954.blog101.fc2.com

デジャブとブジャデ
イノベーションとは、既存の物を組み合わせることだと言ったのはヨーゼフ・シュンペーターだ。つまり、既存のものの隠れた価値を見出し、それを別のものと組み合わせることで新しい価値を想像することがイノベーションの本質だ。そのためには、デジャブではなく、ジャデブが大切だ。デジャブ(Deja Vue)とは、まだ見たことがないはずなのに見たような気がする現象だ。この学校に通うのも自分にとってはデジャブのように感じている。そして、これと逆なのがブジャデだ。スペルはVuja Déだろうか、Vu Jà Déだろうか、どれもしっくりしない。単なるジャダレかもしれない。何れにせよ、ブジャデとは、よく知っていることから知らないことに気づくことのようだ。

なぜ財閥が日本の経済を支えたのか
財閥論はいろいろある。しかし、いわゆる三井財閥三菱財閥は全然歴史が異なる。三井財閥の元々は越後屋だ。明治維新の時期の三井組の大番頭が「三野村利左衛門(1821年12月生)」だ。そして、この優秀な大番頭に経営を任せたことが越後屋が飛躍した大きな理由だ。一方の三菱の大元は、土佐の地下浪人だった岩崎弥太郎(1835年1月生)だ。しかし、この両者に共通するのは、海外に学ぶことの重要性を認識し、実践したことだ。例えば、團琢磨(1858年9月生)は、アメリカで鉱山学を学び、三井三池炭鉱の経営を担い、三井財閥の総帥となった。岩崎弥太郎の長男の岩崎久弥(1865年10月生)は1888年ペンシルベニア大学に留学し、その後三菱社の三代目社長として長崎造船所の近代化や丸の内地区の再開発を進めた。財閥飛躍の秘密は実は教育と人材活用だった。

学生クーポンの有効性
教育の無償化には米倉先生は反対だという。そうではなく、就学の期間に子供に対して直接補助金を支給するような学生クーポンの方が有効だという。個人的には、ベーシックマネーに興味を持っていたが、原資の問題や効果の問題もあり、困難性を感じていたが、学生クーポンはその良いところ取りだ。面白いかもしれない。他国で実践している国はあるのかを聞くと自分で調べろと逆に宿題を貰った(笑)。別途調べたい。

教育分野にも競争原理が重要
生徒の質も、先生の質も、学校の質も、やはり質を高めるには、競争原理が有効だ。この学校の授業はどれも素晴らしいが、必須の授業とオプションの授業がある。やはり競争原理が働く後者の方が質が高いと感じる。米国の授業では、生徒が授業&講師を評価する。シェアウェアと同様に、先生も生徒も同じ立場で、お互いを評価する。そんな仕組みが教育の質を高め、人材を育てることになると思う。

まとめ
授業のメモは全て「MindMap」を使って、キーワードを残している。そして、MindMapに多くのキーワードを残す授業は面白い。米倉先生の授業のメモはこれまでの授業でもっとも多い。新しい気づきも本当にたくさんある。米倉先生の授業は各四半期にそれぞれある。これからの授業が本当に楽しみだ。また、英語の授業もある。流石にちょっと躊躇していたけど、米倉先生から勧められたので、土曜日の最初の生産管理の講座を「Open Innovation」の講座に変更した。初回は見逃したけど、来週からの授業が楽しみだ。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございまいた。

米倉誠一郎さんのイノベーションにかける想い(その1/2)

はじめに
4月から学校に通い始めた。火曜日の夜と木曜日の夜にそれぞれ1講座、土曜日に3講座を受講して、計5講座だ。このペースを維持すれば、1年間は4学期で、1講座2単位なので、40単位となる。上限を考慮して後半調整すれば良い。ということで昨日は3つの講座を受講した。どれも興味深かったが、やはり米倉誠一郎教授(今後は「米倉先生」という)の講座がダントツに面白かった。

米倉信者
イノベーションに興味のある人なら、米倉先生の著書を読んだことがある人も多いだろう。1953年5月生まれなので、65歳。一橋大学の名誉教授で同校には米倉信者も多い。イノベーションの研究者であり、2002年に始まった日本元気塾の発起人でもある。内面の熱さが外見にも滲み出ている。個人的には、女優の米倉涼子と似ている気がする。何れにせよカッコいい。
f:id:hiroshi-kizaki:20190414084813p:plain

一橋大学からハーバード大学
経営学といえば、野中郁次郎先生が有名だ。調べると1935年5月生まれなので、米倉先生より18歳年長だ。そして、米倉先生はハーバード大学のアルフレッド・チャンドラー教授に手書きを書いて、師事されている。貧乏学生だったが同校では約3000万円ほどの奨学金を受けたと著書に記しているが、ハーバード大学で博士号を取得し、一橋大学に戻られた。2017年に一橋大学を定年退職され、同年から法政大学大学院で教鞭を取られている。このタイミングでなければ、米倉先生の話を聞けなかったと思うとその出会いに感謝する気持ちで一杯だ。

独特の授業
通常、最初の授業では自己紹介とか授業の進め方とか、宿題とか、成績のつけ方とか、生徒の関心がありそうなことから話が始まることが多い。しかし、米倉先生の授業は、まず自分の著書を2つの時期に分けて、その違いを説明した。真面目な時期の著書群と、イノベーションに目覚めた後の著書群だ。前者は硬い。ネットで見てもなかなか出てこない。最近の著書は皆派手だ。インパクトがある。何があったのだろう。
f:id:hiroshi-kizaki:20190414090353p:plain

バットで殴られたような衝撃
米倉先生が留学したのは米国の東海岸だが、1995年に西海岸のシリコンバレーに訪問した時には、大変なカルチャーショックを受けたという。本人の弁でいえば、「後ろから頭をバットで殴られたような」衝撃だったという。何に衝撃を受けたのかといえば、当時だとYahooだ。今ではGAFAを筆頭とするプラットフォーマだ。新しいビジネスを日本でも立ち上げないとダメだと強く感じた。それがその後の米倉先生の活動の原動力のようだ。

Uberの狙いと必然性
トヨタ自動車ソフトバンクが提携したのは衝撃的だが、トヨタ自動車にとっては必然だった。なぜか?物を売れば儲かる時代は終わった。自動車を購入してもその稼働率はわずか4.2%だ。年間では20日ぐらいしか使っていないのが現状だ。そんな風に遊んでいる車がある一方で、移動したいというニーズがある。これをマッチングするのがUberだ。同様に空いている部屋と宿泊したい人をマッチングするのがAirbnbだ。自分も海外旅行時にはAirbnbは愛用しているがポイントは提供者と利用者の立場がイーブンでお互いがお互いを評価し、それが信用度として残る点だと思う。
 出典:クルマの平均稼働率とカーシェアで実現したいコト【Clooks】 | 合同会社Clooks

順応と創造的対応
日本の新聞だけ読んでいてもダメだ。タイムズとかFTとか別のメディアにもアンテナを伸ばせ。今ならネットで簡単に読めるし、簡単に翻訳もできる。そして、外的変化に対応する方法には、順応と創造的対応がある。通常は順応することで生き残る。しかし、これからはびっくりするような新しい方法を考えて、実行する創造的対応が重要だという。そのためには情報感受性を高める必要がある。
f:id:hiroshi-kizaki:20190414092110p:plain
 出典:感受性の強い人の生きづらさを理解する | 池袋、朝霞で行う安心のカウンセリング

このあと、次のような話題に続くがこれは(その2/2)を参照願いたい。
hiroshi-kizaki.hatenablog.com

明治維新はイノベイティブだった
デジャブとブジャデ
なぜ財閥が日本の経済を支えたのか
学生クーポンの有効性
教育分野にも競争原理が重要

これ以外にもいろいろと興味深いトピックが満載でした。

以上

1年間で名刺交換300枚だった。

はじめに
昨年の3月末に名古屋から東京に戻った。この4月には、勤務地が飯田橋から大手町に変わった。そんな中で受領した名刺の数を数えたら1年間で約300枚だった。最近は、名刺管理にEIGHTを活用している。そこに登録しているのが1300枚ほどだが、そのうちの300枚が1年で交換した事になる。正確にいえば、渡したのが400枚で頂いたのが300枚だ。

日本技術士会の会合
東京に戻ってからは、いろいろな活動に参加した。もちろん本業で名刺交換した人もいるけど、それ以上にやはり日本技術士会の関係が多かったと思う。日本技術士会には20の部門があり、その多くで分科会を開催しているし、認定グループの活動もある。しかも、参加費が1000円とか、2000円と安い。これは参加するしかない(笑)。特に、神谷町の機械振興会館にも結構足を運んだ。量子コンピュータの話やブロックチェーンの話など、最先端の話を第一人者から直接聞くことができる。そのまとめはこのブログにも書いて、その講演者に見てもらったりして、交流も深めることができた。
f:id:hiroshi-kizaki:20190412194655p:plain
 出典:公益社団法人 日本技術士会

IT21の会
2018年度でいえば、この活動が最も充実していたのではないか。この5月に総会があるので、そこで新役員が選任され、新役員にお仕事をバトンタッチするまでがミッションだ。毎月第一金曜日に例会を行うが、最初は講演者を見つけるのに必死で、使える人脈は使いまくった。また、興味のある分野の第一人者に声をかけると、どの人も気持ち良いぐらい快諾していただけた。感謝しかない。それにしても例会への参加費無料でも継続できるのはすごい。
f:id:hiroshi-kizaki:20190412194332p:plain
 出典:日本技術士会登録グループ - IT21の会ポータルサイト

Sukiyaki塾東京
名古屋に赴任した時にはSukiyaki手羽先の会のメンバーとして、講師活動もした。東京に戻ってからもしばらくは活動していたけど、IT21の会の役員に選抜されたりしたこともあって、途中からフェードアウトしたのはちょっと残念だけど、体は一つしかない。無理して健康を害しても誰も褒めてはくれない。また、余裕が出てきたら貢献したい。
f:id:hiroshi-kizaki:20190412194509p:plain
 出典:SUKIYAKI塾東京

まとめ
会社を定年退職した後にこれほど人脈が増えるとは思いもしなかった。同じ年代で再雇用で頑張っている人は多いけど、多分、過去のノウハウや経験を活用して会社に貢献している人が多い。それはそれで素晴らしいと思う。でも、個人的には、やはり幾つになっても新しいことにチャレンジしていきたいし、その方が楽しい。

以上

与太話に最後まで付き合っていただき、ありがとうございます。

ロジカルシンキングを受講して

はじめに
今週からMBAの授業が始まった。火曜の夜と木曜の夜と土曜日の授業をとれば、まあ単位数としては十分だ。飲み会のお誘いは、月曜、水曜、金曜に誘導している。ゴルフは金曜日だ。

眠くない
自慢ではないが、学生時代は「眠狂四郎」と呼ばれていた。文字通り、授業が始まると最初は聞いているが、そのうちなんだ教科書に書かれていることを説明しているだけではないかと思った瞬間に、夢うつつとなり、終わりのベルで目が覚めた(笑)。学生時代から睡眠学習は得意で、試験勉強は復習というよりは独学だった。まあ、独学の勧めか。しかし、まだ2つしか受講していないがMBAの授業は面白い。生徒が退屈する頃には先生も退屈なので、グループディスカッションが始まる。全然眠くない(笑)。

フレームワークを理解する
3Cs、SWOT、STP、4Ps、JTBD、Vp、CDMなどMBAの授業というと、こういう手法を学ぶ場のように思っていた。もちろん概念を理解することは必要だが、これは守破離でいう「守」だ。
f:id:hiroshi-kizaki:20190412082333p:plain
 出典:The Jobs to be Done Data Model – Jobs to be Done

クリティカルシンキングとは疑うこと
ある結論やある意見が本当かどうか。仮説ではないか?仮説ならそれを検証する。根拠や証拠は本当かと検証する。クリティカルシンキングの本質は疑うことだ。悪くいえば他人の意見を鵜呑みしない。自分自身で判断する。そのための根拠を探して、検証する。友達からは、変な人とか、嫌われるかもしれないが、そんな行動がやはり重要だ。

相関関係と因果関係
多くのビジネスの失敗は、単なる相関関係を因果関係のように勘違いすること。しかし、これはなかなか分かっていても難しい。現時点の人工知能機械学習や深層学習は残念ながら相関関係を示すものでしかない。10年後とか、20年後には因果関係を解明する人工知能が実現するのだろうか。
f:id:hiroshi-kizaki:20190412082753p:plain
 出典:http://takehiko-i-hayashi.hatenablog.com/entry/20130418/1366232166

小さく失敗して、失敗から学ぶ
現在の大企業の失敗は、りん議を起案して、プロジェクトを始めて、失敗する。失敗は許されないので、無理をして、繕って、大失敗する。本来はそうではなく、小さな失敗を早い段階で体験し、なぜ失敗したのかの原因を解明し、失敗から教訓を得て、またトライする。そんな考え方や行動が重要だ。

PIVOT
小さく失敗して方向変更するときの手法だ。バスケットの概念だが、右足か左足かどちらかは床につける。ビジネスの世界でいえば、ターゲットとする問題とその解決方法の二つの両方を同時に変えてはいけない。問題を変えないで、解決法を変えてみる。もしくは、解決法は変えないで問題を変えてみる。そんなことを繰り返していくうちに、もっとも解決すべき問題と、それを効果的に解決する方法が見えてくるものだ。
f:id:hiroshi-kizaki:20190412082532p:plain
 出典:https://diamond.jp/articles/-/173056

「私は嘘つきだ」
ちょっと退屈感が出た時に、先生がグループディスカッションを始めた。「私は嘘つきだ」という発言から、先生が嘘つきか、そうではないかとグループで討議して、発表しろという。先生は嘘つきだという結論のグループもあるし、嘘つきではないという結論のグループもあった。そして、最終的な先生からの解説では、そのどちらも論理矛盾があるので、どちらともいえないという解説だった。

高度な嘘つき
ネットで「嘘」の定義や、「嘘つき」の定義を調べると、ある人が嘘つきには、低度な嘘つきと高度な嘘つきがあるという。低度な嘘つきとは、すぐにバレる嘘を言う人だ。例えば、「自分は嘘をついたことがない」などと言う人は、そうではないことがすぐに指摘される。つまり、低度な嘘つきだ。しかし、「自分は嘘つきだ」と言うと、それが嘘だと証明することは非常に困難だ。いわゆる無実の証明のようなものだ。そうかもしれないと誰もが信じる。つまり、高度な嘘つきだ。これを聞いた先生は、初めての意見だと言っていた(笑)。

まとめ
授業を受けたり、宿題をしたり、準備をしたりと時間を取られることが多い。ただ、せっかくの機会なので、授業の骨子やエッセンスをすこしでも、このブログでフィードバックできればと思います。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。