LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

日本史の論点を読んで

はじめに
「教科書に書いてあることを信じない。」はノーベル生理学医学賞を受賞した本庶佑医学博士の言葉だ。本庶さんは不思議だなという心を持つことの大切さを説いている。これは歴史についても当てはまるだろう。

日本史の論点
今回紹介する「日本史の論点」は歴史の通説や教科書に書かれていることが必ずしも真実ではないと、五人の専門家がそれぞれの想いを綴っている。例えば、明治維新に向けて倒幕派も幕府も国力を高める大攘夷を是としている点は一致していて、論点は薩長を中心とする議会制か、幕府を議長とする議会制かの違いだったという。NHK大河ドラマは真実の放映を目指すものではなく、視聴者向けのフィクションと割り切るべきかもしれない。
f:id:hiroshi-kizaki:20181022211949p:plain

縄文時代への新説が欲しかった
まあ、タイトルにも邪馬台国からと書かれているので、期待する方が悪いのだけど、縄文文化についての鋭い切り口も欲しかった。ちなみに卑弥呼がいたのが関西なのか北九州なのかはあまり意味がないという。当時の日本は国として統一されていたわけではなくそれぞれの地域で統治されていた。つまり、北九州を中心とする勢力もあったし、奈良を中心とする勢力もあった。東北にもあったのだろう。卑弥呼がどこにいたのか、もしくはそもそも実在したのかは別にして、多分どちらもあったのだろう。

江戸時代の身分制度
社会の教科書には士農工商という身分制度があったと教科書には書かれていたように思う。本当なのだろうか。ねずさんのひとりごとによると、嘘ではないけど本当ではないという。つまり、中国とかインドでは生まれながらの身分があり、現在でも中国には、農民とか士大夫(したいふ)という身分の意識が残っていて、パスポートにも農民とか書かれているらしい。今度中国人に聞いてみよう。一方、江戸時代の士農工商は、中国から輸入した概念だが、個人ではなく、家の身分だという。従って、士族の家の長男は家督を継いで士族だ。しかし、次男や三男は家督を継がないので商人になったり、農民になったりする。商人でもお金を払えば武士になれる。このように非常に緩い身分制度だったようだ。
 出典:ねずさんのひとりごと 身分制

鎖国時は4口、開国時も4港
鎖国時代には、オランダ以外との交易を禁じて、かつそれも長崎の出島のみに限定したと理解していたが、実際には4つのエリアでの交流が認められていた。長崎と対馬と薩摩と蝦夷の4口だ。長崎口では、オランダ、清朝中国との交易を幕府直轄で行った。対馬口では、李氏朝鮮との交易を対馬藩経由で行った。薩摩口では、琉球王国との交易を薩摩藩経由で行った。蝦夷口では、アイヌとの交易を松前藩経由で行った。開国時には横浜、新潟、神戸、長崎が日米修好通商条約で求めた4港だ。鎖国時の4口から開国時の4港に変遷したのが実態だ。
 出典:Wiki

琉球王国蝦夷地と李氏朝鮮
教科書で4口のことを説明するのだろうか。正確に説明すると色々と深い問題に直面するので、交易は主に長崎のみに限定したと説明するのだろう。江戸時代の初期には李氏朝鮮琉球王国アイヌは国外だった。鎖国制度は一般的に1639(寛永16)年に始まり、1854(嘉永7年)の終わったとされるが、琉球王国は1429年に始まり、1609年に薩摩藩支配下に入り、1879年に琉球藩沖縄県となった。沖縄県になるときには、琉球の王族は、日本の華族として処遇された。これは非常に日本的だと思う。一方、蝦夷地は江戸時代には松前藩となり、1869(明治2)年に新政府は北海道と命名し、北蝦夷地を樺太命名した。李氏朝鮮は、1392年から1910年に朝鮮半島に存続した統一国家だ。領土問題は簡単には解決しない問題の典型なので、これぐらいの説明に留めておきたい。

まとめ
少し話が脱線したが、この新書では、邪馬台国から象徴天皇制まで数多くの新説が書かれている。これらが全て真実とは限らないけど、複数の意見があることを知り、何が本当なのかを自分で納得するまで考えたり、調べたり、興味を持ち続けることが大切だという本庶さんの言葉を思い出させる図書でした。個人的には、教科書よりもWikiの方がフェアだと思う。しかも、日本語のWikiだけではなく、英語とか海外のWikiも合わせて読むと真実が見えてくるのではないでしょうか。皆さんも過去の謎解きをしてみませんか?

以上

佐藤詩織さんは不思議な人だ

はじめに
試験も終わったので少しリラックスしている。またアイドル系の話題に触れたい。欅坂46のメンバー佐藤詩織さんがいる。五人囃子のメンバーでもある。ファンもいると思うけど露出がなぜか少ない。なぜなのだろう。

一発でファンになった
NHKのBSで日曜日の夜に放映しているAKB48ショーでは、最近は乃木坂46欅坂46の特集を放映することが増えている。ある時、観ていたら、五人囃子の五人が「結局、じゃあねしか言えない。」を紹介した後に披露していた。そのうちの一人が色っぽい。誰だろうと思ったら、佐藤詩織さんだった。
f:id:hiroshi-kizaki:20181021120923p:plain
 出典:http://toriizaka46.jp/keyakizaka46/116487/

見分けがつかない!
佐藤詩織さんのファンになったつもりなんだけど、その後テレビとか見ていても、どの娘が佐藤詩織さんかわからない。そのうち、佐藤詩織さんという名前も忘れがちになった。佐藤詩織さんのファンはいるはずだけど、なかなか人気が上がらない。性格も悪くはないらしい。なぜだろう。綺麗な顔なんだけど個性的な顔ではないので、覚えにくく、見分けがつきにくいのではないだろうか。アイドルは顔が変わらない方が有利だ。下の3つの写真をじっくりと見ると確かに同一人物だけど、ぱっと見では別人に見えてしまう。
f:id:hiroshi-kizaki:20181021122256p:plain

佐藤詩織さんのプロファイル
1996年11月16日生まれなので現在21歳。才能豊かな女性だ。4歳でバレーを始めるが足の怪我から15歳で断念する。失意の中、美術の先生から美術部への入部を勧められ、美術の道を歩み、現在は美大の学生だ。書道も8段の腕前だ。西野七瀬も絵が上手だ。自分は、絵ごころがないけど、スケッチは好きだ。どうも絵の上手な人を好きになる傾向があるのかもしれない(笑)。

名女優になってほしい
佐藤詩織さんは化粧によって印象が変わるのが、アイドルとしてはデメリットでも、女優としては最高の武器だろう。役所によってその人格に成り切るような女優を目指すと成功するのではないかと素人ながらに勝手に想う。それも名脇役のような女優が向いているのではないだろうか。書道家であり、画家であり、女優であるというようなマルチなタレントを発揮する女優に成長するのを見守りたいとも思う。

まとめ
欅坂46と言えば、平手友梨奈とか、長濱ねる、今泉佑唯ぐらいまでしか思い出せない。どの娘も個性的だ。個性のはっきりしない典型が佐藤詩織かもしれない。でも、逆に言えば伸び代が大きいということかもしれない。頑張ってほしいなあと思う。

以上

EXABEAMは個人情報保護の最強のツールか

はじめに
昨日(10/19)、情報セキュリティ大学の内田勝也名誉教授が主催するセキュリティ心理学の研究会に参加した。今回の講師は、都内の某区で顧客情報の流出防止に奔走している某公務員で、その奮闘ストーリがテーマだ。

顧客情報の保護
区役所にとっての顧客情報とは、区民情報だ。これらの情報の保護を図ることは顧客=区民を守ることだが、同時に重要なことは区役所に勤務する公務員を守ることだ。区役所の公務員が適切な目的と適切な操作で処理を行っていたことを証明できない限り、疑義が生じた時には、疑惑を晴らせない公務員や派遣社員は勤務を継続できないのが実態だという。

疑わしきは罰せず
日本の法律では、「疑わしきは罰せず」のはずだ。特に、刑事事件においては、検察側が有罪の証拠を示すことが求められる。しかし、例えば、100人の操作者のうち80人は無実を証明できたとする。残る20人は残念ながら無実の証明ができなかったとする。過去のトラブル事例では、問題が起きた時に無実を証明できない人は諭旨退職となったという。諭旨退職は、懲戒解雇よりは温情的ではあるが、有罪でないかもしれない人も対象となる悲劇だ。

IDカードの差しっぱなし
講師の説明によると区民では操作する時には、必ず自分のIDカードをセットして操作するルールになっている。しかし、抜き差しするのが面倒ということや課長の監視のもとで派遣社員に業務を依頼する時に、カードを差しっぱなしにするようなことがあったという。この場合、そのようなゆるい運用実態の隙をついて顧客情報を持ち出した人間が犯人だが、その手口は巧妙だ。また、本人の管理の甘さが招いたインシデントとして、課長は当然罰を受ける。

探偵事務所からの依頼
講師の説明によると、末端で顧客情報を持ち出す人は、ほぼ低所得の待遇の人間であり、その依頼元は探偵事務所だという。探偵事務所が第三者に顧客情報を違法に持ち出すことを指示した場合にはこれは真っ黒で有罪だろう。

探偵事務所のクライアントは有罪か
探偵事務所が何かを調査する時には必ずクラアントがいる。それは一般の民間人かもしれないし、雑誌の出版社かもしれない。政治家もしくは政治家から指示を受けた人かもしれない。しかし、そのようなクライアントが探偵事務所に調査を依頼することは合法なのだろうか。講師によると、これを有罪にするような法令は残念ながらないという。インシデントや犯罪の未然防止には元原因に対処する必要があるが、マスメディアも政治家も一筋縄ではいかない。これはムズイ。

ユーザー行動分析(UBA:User Behavior Analysis)
顧客情報の不法流出を阻止するために有効なツールとして最近関心が高まっているのがUBAだ。UBAは、人間の行動パターンに基づくサイバーセキュリティプロセスだ。代表的なものはSPLUNKであり、最近急成長しているのがEXABEAMだ。下の図は横軸が供給力、縦軸がベンチャーキャピタルの関心度だ。
f:id:hiroshi-kizaki:20181020231212p:plain
 出典:https://www.quora.com


SPLUNK
Splunk(スプランク)とは洞窟探検(Spelunking)が語源だ。Splunkは、2003年に設立した。Splunkは2007年までに4千万ドルを売り上げ、2009年には収益が黒字に転じている。講師からの依頼に対しても、AI機能付きSIEMと要求機能をマイクロサービスで実現可能だという。基本システムは比較的安価でかつ安定稼働も期待できる。問題は学習や設定に時間がかかる点だ。
 出典:Splunk(スプランク)とは | 今までにないソフトウェア会社

EXABEAM
EXABEAMでは、講師が求める機能はほぼ網羅していた。機械学習やルール設定が不要なのが素晴らしい。最大の特徴は利用者の行動パターンを分析することだ。利用者の行動が時系列に記録され、利用者ごとのスコアが表示される。しかも、その利用料金は利用者数×単価だ。問題は、日本語対応が未定な点だ。また、まだ若い企業なので経営面や保守継続性に不安がある点だが、これらは大きな問題ではないだろう。ネットで調べるとマクニカネットワークスが販売代理店となっている。

企業内CSIRT
セキュリティインシデントが発生した場合に迅速な対応をすることと同時に、そのようなインシデントを発生しない仕組みが必要だ。それは被害者を発生させないと同時に加害者を発生させないことになる。犯罪者を罰することは必要だが、そもそも犯罪者が発生しないような仕組みを充実させることが大切だと主催者の内田さんはとく。

まとめ
情報セキュリティの問題と建設現場での安全管理と学校のいじめ問題は表面的には全く異なる。しかし、その構造は同じだ。重要なこともインシデントの未然防止だと思う。

以上

労働安全コンサルタント試験を受験してきました

はじめに
TOC五反田メッセに行ってきました。会場に近づくと40歳から70歳ぐらいの中年のサラリーマンが集っていた。女性比率は数パーセントか。ただ、どのおじさんもひとクセありそうな個性的な人が多い気がした。
f:id:hiroshi-kizaki:20181016193622p:plain

試験科目
安全一般が10時から12時、安全法令が13時から14時、そして、専門科目が14時30分から16時30分なので、合計5時間の試験だ。試験会場の一番右の一番後ろ、つまり角だった。自分の前の受験生は、専門科目を免除して貰っているようだ。左前は全部受験しているようだ。自分は安全一般と専門科目を免除して貰っているので、安全法令のみの受験だ。ラッキー。
f:id:hiroshi-kizaki:20181016193715p:plain

安全法令
1時間で15問の5択問題だ。最初の15分ぐらいでほぼ半分終わったので、良いペースと思ったら、途中で難問が待ち構えていて、係りの人が30分経過したので、退場して良いとアナウンスされたときには、まだ奮闘中だった(汗)。それでもなんとか40分ぐらいには一通り回答を決めたが、まだどうも自信がない。でも、ずっと見返していて、気づいたら時間切れの零点と言うのも困るので、薄くマークしてから、再度精査した。結局最後まで残ったが、もう気力がない。最後の5分はもうボーとしていた(汗)。

ケアレスミス
正しいものを選べとか、間違ったものを選べの問題が多いが、2問だけは、正しいものの組み合わせを選べと間違ったものの組み合わせを選べと言う問題だった。あとで見返すと、しっかりと引っかかっていた(号泣)。まあ、そもそもケアレスミスをしなくても、正解かどうか不安な難問だったが、この1問は大きい。最後の最後までもっと集中すべきだった(涙)。

暫定結果
先のケアレスミスを含めて4問は確実に間違えている。正解かどうか不明なのが3問ある。多分正解だろうと言うのが8問。首の皮一枚繋がっている感じだ。不明な3問のうち1問以上が正解なら合格。全部ダメなら不合格。でも、多分、正解と思っているのも勘違いかもしれない。う〜ん。微妙。

まとめ
試験が終わってから会社に行ったらメールが山積していた。キリがないので重要なものだけ処理して退社した。明日からはまた茨城県での対応だ。来週の水曜日には名古屋の日帰りもある。その翌日の朝が早いので飲み会は我慢しよう。でも、来月21日に、もう一度名古屋に行くので、(Yさん)そのとき都合が合えば軽く行きませんか?(笑)

以上

労働安全コンサルタントへの道のりは依然として長い。。

はじめに
労働安全コンサルタントの試験が10月16日(火)だ。これまでそれなりに頑張って勉強してきたつもりだが、今だに道半ばだ(涙)。

過去問題の取り組み
労働安全コンサルタントの試験を開催している安全衛生技術試験協会(受験資格(労働安全コンサルタント))のHPには、過去二年分の試験問題と回答が掲載されている。しかし、過去の経験から行って、過去の二年分の学習だけでは不十分だ。このため、平成24年度から平成29年度までの6年分の問題と回答を収集して学習した。最初に取り組んだ時の正解率は20%だった。5択なので確率論通りだ(汗)。その後、何度か繰り返すうちに4割を超え、9月には合格基準の6割に達したが、これはまだ実力ではない。いわゆるパターンを覚えて正解を導いただけだ。

題意の理解と周辺学習
「誤っているものはどれか」という出題が多いが、最近は「正しいものはどれか」も増えている。どちらかと言うと前者の方が易しく、後者の方が難しい。しかし、実際の問題に取り組むと、どれも正しいように見える。間違いを探すと言うことは、正しい法令を理解しているから判断できることで、法令を知らなければ判断できない。このため、問題文の根拠となる労働安全衛生法令を確認すると言う地味な作業を続けた。

正解率の低下
法令を確認するのに便利だったのは、e-Gov(e-Gov法令検索)だ。パソコンでキーワードを入力すると簡単に検索できる。しかし、不思議なもので、地道な学習を続けた後に、過去問題にトライすると、正解率が減少した。これは前向きの後退だ。つまり、パターンで正解を導くのではなく、法令との対比で判断した結果だ。つまり、これが自分の実力だ。しかし、悲しいからこの正解率が5割で足踏みして、なかなか6割を超えない(涙)。

単語帳の活用
難問とか、間違った問題を縦3cm横4cmの単語帳に地味に書いて覚えようとしたが、作って終わりだった。これではいけないとスマホで録音するが、録音レベルが低い。ネットでiPhone用のマイクを手配したが、到着まで待てないので、録音レベルの低いものを聞いて記憶の定着を図っている。しかし、録音レベルが低いので、電車の中では最高音量にしてもなかなか聞こえない。しかも、気分転換に音楽を聴こうとすると最大音量なので、耳が壊れそうになる(涙)。

携帯メモの活用
横9cm縦15cmの携帯メモ(見開きにすると18cm×15cm)に主題を決めて書くようにした。iPhone用のマイクも到着したので、まとめたものを録音した。音量レベルもグッドだ。でも、試験まで後2日だ。しかも、携帯メモには今日、かなり追加したが、まだ録音していない。今日の夕飯のビールを我慢して録音するか。しかし、再生できる時間は限られている。

明日は茨城県
土浦からバスで30分ほど移動した村の災害対策無線システムの構築中だ。明日も朝5時に起きて、常磐線で土浦に向かう。帰りも18時に現地でても帰宅できるのは21時前だろう(涙)。しかし、音量が十分あるので、電車の中では録音したものを繰り返し聞けるはずだ。メモも見ながら音声ファイルを再生するのは記憶の定着には効果がある。まあ最後まであがいてみよう。

明後日は本番
法令の試験は昼の13時から14時の1時間だ。休みを貰っているので、早めに現地の近くに行って、最後の記憶学習にトライしよう。合格ラインに到達するかどうかは微妙だなあ。技術士試験よりも難しいと言うか、記憶が苦手な自分には結構辛い(汗)。

まとめ
まあ最後まで粘って。粘って。なんとか合格ラインにたどり着けるように頑張ります。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございます(^^)

電気をきる、アースをとる

はじめに
最近は工事現場に立ち会うことが増えている。しかし、工事現場に行っても工事は出来ない。かと言って工事監督も出来ない。では何をやっているのか?電気事業には電気事業法があり、電気通信事業には電気通信事業法がある。同様に建設業にも建設業法がある。この建設業法において、建設業法の免許を取得したものは建設業法に基づく建設業者となる。建設業者は、請け負った工事の金額によって主任技術者や監理技術者をアサインすべきと規定している。特に請負金額が4千万円以上の大口案件の場合には専任の監理技術者を置くと規定している。そして、自分はその監理技術者だ。

建設業法と労働安全衛生法
建設業に特に関係のある法律は、先の建設業法と労働安全衛生法だ。後者の労働安全衛生法は、特に労働災害を防止し、「労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする」と第一条に明記されている。労働基準法が労働者の最低基準を定めているのに対して、労働安全衛生法はより良い環境の形成を目的としているのが特徴だ。

労働災害は減少傾向
昭和49年には休業4日以上の死傷者数が34.7万人いた。平成26年には12万人を切るレベルまで減少した。中長期的には、これまでの安全対策が効果を発揮していると言える。
f:id:hiroshi-kizaki:20181007171223p:plain
 出典:厚生労働省

直近では増加傾向
労働災害は減少しているのかといえば、直近では逆に増加している。例えば、平成26年度の休業4日以上の死傷災害は1,373人も増加している。また、平成29年度にはついに12万人を突破し、前年度比2,550人も増えている。なぜ労働災害が増えているのだろう。
f:id:hiroshi-kizaki:20181007171708p:plain
 出典:厚生労働省

ベテラン労働者の高齢化と若手の育成
原因を究明した資料は残念ながら見当たらないが、やはりベテランが高齢化し、それを引き継ぐ中間層がいず、若手に技術継承しようとするが、なかなかうまくいかない。もしくは外国人労働者の増加による死傷者の増加が考えられる。下の調査資料によれば、外国人労働者の休業4日以上の死傷者数は平成24年の1,292人から平成29年には2,494人と倍増している。
f:id:hiroshi-kizaki:20181007172444p:plain
 出典:https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11302000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu-Anzenka/0000209163.pdf

監理技術者の役割
工事も現場監督もしないで監理技術者は何をやるのか。建設業法の第26条では下のように、当該工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理、技術指導を行うと規定されている。まあ平たくいえば、何があっても建設工事を「適正かつ適切に完遂する」というところだろう。技術的な問題や、工程上の問題などは発生するものだ。それを関係者と一緒に考え、総力を結集して解決することが求められることだ。だから、監理技術者が暇なことは良いことだけど、それに甘えていてもいけない。
f:id:hiroshi-kizaki:20181007173157p:plain
 出典:http://www.mlit.go.jp/common/001130685.pdf

専任の規制緩和
4千万円以上の案件では、監理技術者の専任が求められる。つまり、他の仕事をしてはいけないということだ。しかし、これでは生産性が低く、監理技術者の費用を賄うことが困難なケースも出てくる。このため、例えば下の図のように工事が複数の期間に渡って実施される場合にはその期間は当然専任だが、工事と工事の間の期間は他の専任工事を実施できるようになっている。しかし、これには発注者の了解等が必要という条件がついている。
f:id:hiroshi-kizaki:20181007173851p:plain
 出典:http://www.mlit.go.jp/common/001149079.pdf

安全教育
社員の研修を実施するのは会社だ。例えば、大きなプロジェクトで元請け会社があって、その下に複数の会社がそれぞれの業務を請け負っているとする。そして建設業では高所作業があったり、クレーン作業(玉掛け)があったり、ガスバーナ等での溶接作業があったりと危険がいっぱいだ。そして危険な作業には全て法律で規制がかかっている。労働安全衛生法では、元請け会社には総括安全衛生管理者を、下請け会社には安全管理者のアサインを義務付けている。
f:id:hiroshi-kizaki:20181007175006p:plain
 出典:https://www.tokubetu.or.jp/text_shokuan/part1/text_shokuan1-1.html

総括安全管理者
話題が硬いがご容赦ください。総括安全衛生管理者は例えば建設業であればある事業所の労働者が100人以上だと、選任が必要だ。事業を統括する工場長等が任命される。そして、労働者の危険防止や健康障害の防止、さらには安全や衛生の教育の実施を統括管理する。
f:id:hiroshi-kizaki:20181007175453p:plain
 出典:https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/anzen_eisei/a-kanri.html

新規入場者研修
労働災害は、労働者が工事作業に携わってから7日以内に約61%が発生するという。つまり、労働者が不慣れな段階で事故が発生する。このために新しく工事を始めるときには、新規入場者のための教育を行う。途中で参加する人にも、教育をしてから参加してもらう。その中では、作業書の概要と編成や作業所の案内などを示す。確かに、どこが危険なのか。どのような指揮命令系統で作業を実施するのかを最初に教わらないとわからない。健康状態などのチェックも同時に実施する。今回は監理技術者としては初めての業務なので、自分自身が不慣れなことだが、自分で調べて対応するしかないのが辛いところだ。
f:id:hiroshi-kizaki:20181007180330p:plain
 出典:https://www.tokubetu.or.jp/text_shokuan/part2/text_shokuan2-2.html

電気を切る
新規入場者研修を実施して欲しいと言われ、教材を作って、講師を務めた。「耳だこ」の話ばかりでも退屈なので、少し最近のトピックを入れたり、少し深掘りして解説したり、興味の湧きそうな話などを混ぜて対応した。興味を持って聞いてもらえたらようでちょっと安心した。その時に使った小ネタが、表記だ。上司(職長等)が電源を切ってくれと部下(労働者)に指示をした。当然ながら電源スイッチをオフにするという意味だ。しかし、それを聞いた部下は電源ケーブルを文字通り切断した。しかも、その電線は電圧が掛かっていたのでショートしてブレーカーが落ちて、目的通りに電源は切れた。しかし、上司が望む結果ではなかった。部下は幸い怪我はしなかったが、利用したニッパーはもう使えない。ニッパーの絶縁部分が不足していたら部下は感電して死傷したかもしれない。別の上司は、部下にアースをとっておくように支持した。部下は上司に「了解しました」と気持ちの良い返事をした。そして、アース棒を抜いてしまった。その結果、せっかく苦労して実施した接地工事は無駄になる。万一の事故が起きなかったのが不幸中の幸いだが、万一漏電でも起きてアースが必要なケースなのにアースされていないと漏電による感電事故が発生したかもしれない。言葉の誤解は恐ろしい。口頭だけの指示も信用できない。
f:id:hiroshi-kizaki:20181007181709p:plain
 出典:https://www.chiko.co.jp/setti/faq/001-2.html

まとめ
やはり工事とか、監理技術者とか、安全教育とかはトピックとして硬いなあ。まあ、しかし、今はそんな仕事もしている。作業は少なくても責任は重大だ。ちゃんとやれば効果も出る。逆にいえば、労災とかが発生したらもう大変だ。どちらかといえば加点主義の仕事というよりは、減点主義の仕事と言えるかもしれない。労働安全コンサルタントの方がやればやるだけ安全が向上するという意味では、加点方式だが、案件が増えるほど労働災害のリスクも高まるので減点方式でもある。安全・安心をライフワークにするという意味ではどストライクの仕事かもしれない。ただ、性格的におっちょこちょいの自分に向いているのだろうか(笑)。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。

バイカル湖とブリヤート人

はじめに
このブログを本格的に開始してから1年以上が経過する。これまでに297のブログを投稿した。そして、こんなブログに約6万回のアクセスがされている。感謝しかない。そして、このブログの中で1番の人気は下の投稿だ。
hiroshi-kizaki.hatenablog.com

ブリヤート人は日本の祖先か
この投稿がなぜ人気なのかわからない。でも、やはり日本の起源を知りたいという人は多いのだろう。日本人の起源を探ることは人類の起源を探ることになる。色々と調べることで世界観も変わるかもしれない。ブリヤート人は、ロシア連邦とモンゴルと中国に分断して居住している。特にロシア連邦には約44万人が住み、その多くはブリヤート共和国に住む。ブリヤート語を話し、キリル文字を使うという。
f:id:hiroshi-kizaki:20181005135639p:plain
 出典:ブリヤート人 - Wikipedia

キリル文字
キリル文字は、一見するとロシア文字にそっくりだ。キリル文字のうち33の文字はロシア語でも使われている。しかし、ロシア語だけでなく、ブルガリア語やセルビア語などでもキリル文字は使われていて、文字もそれぞれ微妙に異なるという。我々にとってはアルファベットの方が慣れているが、文字としてはどちらが古いのだろう。
f:id:hiroshi-kizaki:20181005140759p:plain
 出典:キリル文字 - Wikipedia

ヨーロッパにおける使用言語
下の図の黒緑は、キリル文字公用語として使われているエリアだ。濃い緑は共用語として、薄い緑は公用語ではないが伝統的にキリル語が使われているエリアだ。キリル文字はスラブ人にキリスト教を布教するためにブルガリア帝国で作成されたという。つまり、宗教を伝えるために文字が開発され、活用された。
f:id:hiroshi-kizaki:20181005141648p:plain
 出典:Cyrillic script - Wikipedia

バイカル湖の西と東
Wikiによると、ブリヤート人モンゴル族の一部だという。バイカル湖に進出したモンゴル族の祖先がバイカル湖周辺に定着した。やはり生活に必要な水が潤沢なエリアは動物も集まるので生活には適していたのだろうか。バイカル湖は非常に大きいがバイカル湖の東側にすむブリヤート人は、ブリヤート人としての固有の文化を維持している。しかし、バイカル湖の西側のブリヤート人はロシア人との混血が進み、生活もロシア化している。

ブリヤート共和国の国旗
ブリヤート共和国の国旗は、3つの帯と黄金のソヨンボで構成する。青はブリヤート国民の色で高い道徳原理や幸福な、平穏、反映、平和、団結、高潔のシンボルだ。その青い帯に示されていうのはソヨンボと呼び、月と太陽と炎を示している。月はモンゴルにとって神聖なもの、太陽は生命力や富、豊かさを示し、炎は暖かさ、命、再生、繁栄、健康を示すという。
f:id:hiroshi-kizaki:20181005143607p:plain
 出典:ブリヤート共和国の国旗 - Wikipedia

ウスチオルダ・ブリヤート自治管区の旗
約13万人が22千km2に住む。人口密度は1km2に6人だ。東京の人口密度は1km2に6千人なので約千倍だ。そして注目して欲しいのはこの人口密度ではなく、自治管区の旗だ。青地に金色の太陽だ。日本の日の丸の国旗にそっくりではないか。青は先述の通りブリヤート国民の色だ。そして黄金の円は、完全なる平和を象徴する。その円の周囲の4つの小さな黄金の縁は、「宇宙と地球とそれぞれの祖先代々の一族を意味する」という。
f:id:hiroshi-kizaki:20181005143427p:plain
 出典:Ust-Orda Buryat Okrug - Wikipedia

バイカル湖
バイカル湖は、ロシアのブリヤート共和国イルクーツク州・チタ州に囲まれた世界最大規模の湖だ。面積は世界最大ではないが、水深が1,634-1,741mと世界最深だ。貯水量も世界最大だ。透明度も日本の摩周湖よりも高く世界最高だ。湖水面は31,494km2なので、日本最大の琵琶湖の46倍だ。琵琶湖にも島があるが、バイカル湖には奄美大島レベルの島を含め22の島々があり、シベリアの真珠とか、ガラパゴス諸島と並ぶ生物進化の博物館とも言われている。

バイカル湖から日本への渡来
バイカル湖に人が住むようになったのはいつ頃だろう。遅くても2万年前までにはバイカル湖周辺で居住を始めたようだ。バイカル湖の西にある遺跡からは人骨も発掘されている。寒冷期になるとここを南下したり、東に渡ったりしたのではないかと最近の遺伝子の調査解析結果から言われている。

まとめ
バイカル湖の周辺の地政学的知識もブリヤート人のことも全然知らないことばかりだ。調べれば調べるほど知らないことが出てくる。来年の夏にはこの地区に旅行に行きたいなあという想いが少しずつ高まっている。ロシア語は全くできないけど、最近ならスマホさえ使えればGoogle翻訳もできるし、なんとかなるかなあ(笑)。

以上です。

最後まで読んで頂きありがとうございました。