LuckyOceanのブログ

新米技術士の成長ブログ

ヘッブの法則からAIソフトと人間の役割分担まで

ヘッブの理論
脳細胞の動きについての法則だ。ヘブ則ともいう。脳のシナプスの可塑性についての法則だと言われても何のことだかわからない。

ヘッブの理論の提唱者
このヘッブの理論を提唱するのは、カナダの心理学者であるドナルドヘッブ(1904年7月22日〜1985年8月20日)だ。両親は医師だが、作家を目指し、心理学を学び、ハーバード大学で博士号を取得。その後、知覚や学習についての神経学的研究を行ない、それをヘッブの理論としてまとめた。

心や精神はどこにあるのか
人間の行動や感覚を司る心や精神は、脳神経に存在するのではなく、神経細胞同士の相互作用の中に存在するという考え方がヘッブの理論だ。つまり、ある神経細胞Aが別の神経細胞Bを継続的に刺激するときに神経細胞Bも活性化するとAとBの間の神経回路が活性化される。継続的に刺激するとAとBの神経回路は強化され、短期的な記憶となる。

短期的な記憶と長期的な記憶
点の記憶だけだと短期的な記憶だが、その点と点が繋がり、面的なつながりが強化されるとそれは長期的な記憶となるという。技術士試験でも、知らない言葉が出て面食らうことが多いが、そのような未知の言葉(キーワード)についての理解が深まり、さらにキーワードとキーワードの関係を理解すると、なんとなくその分野のことを理解したような気持ちになる。そのように理解することが長期的な記憶に繋がるということだろう。

ヒトゲノムとヒトコネクトーム
ヒトゲノムとは、人間のゲノムのことである。ゲノムとは遺伝情報のセットであり、ヒトゲノムは核ゲノムとミトコンドリアゲノムからなる。この核ゲノムには約31億のDNA塩基がある。ヒトゲノムの解読は非常にチャレンジングだったが、2003年に解読の終了が宣言された。一方、ヒトコネクトームとは、人間のコネクトームのことだ。コネクトームとは生物の神経系内の各要素がどのように接続しているのかという全体的な地図を意味する。人間の脳には約一千億ほどの神経細胞があり、その神経細胞間の接続数は1兆ほど存在する。ヒトゲノムの解明は終了したが、ヒトコネクトームの研究はまだ始まったばかりだ。

遺伝と環境
人間の性格は遺伝で決まるのか、環境で決まるのか。遺伝が8割とか、5割とか諸説あるようだ。しかし、昔からのことわざで言われるように、三つ子の魂百までというのは結構当たっているのではないだろうか。幼少時の性格と大人の性格は変わるものだが、その基本的なセットは幼少期に形成されるというのはあるかもしれない。先の人コネクトームに基づけば、1千億個ほどの神経細胞の形成はDNA、つまり遺伝に依存するだろう。しかし、その後の1兆ほどの組み合わせのどこが強化されるかは環境による。その意味では、環境の影響も非常に大きいと言えるのはではないか。
fukusuke.tokyo

SASのセミナー
新聞を読んでいると人工知能やAI、機械学習といった話題が満載だ。昨日もAIエンジンのパッケージソフトで先行するSAS社のセミナーを覗いてみたが、すごい集客力に驚いた。300人ほどが収容できる会議ホールが6 ほどあり、いずれも立ち見が出るほどの満席だ。しかも、それらの会議室では6回ほどのセッションをしている。ざっと考えても延1万人ほどの参加はすごい。先行してSASのAIエンジンを利用した成果が発表されていたが、医療あり、電力あり、金融ありだった。ポイントは大量の業務に適用すると省力化の効果が高いということだ。

AIソフトによる仕分け
例えば、マネーロンダリーに口座が使われていないかどうかを銀行は調べる義務があるが、この処理は大変だという。しかし、AIソフトを活用し、明らかに問題がない案件と、明らかな問題を仕分け、人間はどちらとも言えない微妙な案件に集中することで精査業務の効率化が飛躍的な向上したという。しかし、精査業務に長く従事した人はAIソフトの導入に反対だったという。その理由を問うと、「だって我々が実質している内容しかAIソフトはしていない。」、意味がないという。しかし、AIソフトは精査のベテラン社員が行うことを機械学習して、その通りに仕分けし、その理由を明記するような仕組みなので、それは当然だ。そして、精査のベテラン社員もそのことを理解すると、「繰り返しの作業から解放されて、より困難な案件や微妙な案件に注力できるのは歓迎すべきことかもしれない」と考えるのようになったという。最終的にはAIソフトが対応できる業務がどんどん増えるのだろうが、人間とAIソフトのあるべき役割分担の一つのパターンのように感じた。

技術士試験にチャレンジする人へのエール
総監を除く一般部門の二次試験は7月15日に予定されている。今年の試験にトライする人は技術ノートを作ったり、記述ドリルにトライしたりしているかもしれない。私も今回は情報部門にトライしているが、人工知能ブロックチェーン量子コンピュータあたりは出題に狙われやすいキーワードだ。人工知能では、教師あり学習と教師なし学習や、ニューロン構造などはマストだ。このような分野を調べていると先にあげたヘッブ理論やヒトコネクトームのキーワードを初めて知った。その意味することは難解だけど、点の理解ではなく、その点と点を結びあわせて面の知識にすることの重要性と効果は理解できる。

まとめ
AIは結論を出せても、その判断ロジックを示せないと聞いていたが、SASの講演では判断ロジックまでを出力する事例が発表されていた。AIを中心ととする業務改善はこれからの産業構造を改革する中心的なエンジンだろう。情報工学部門にも首尾よく合格できれば、人工知能の安心・安全な活用に向けての研究も継続して実施して行きたいと思っている。そのためにも合格しなければ(汗)。

以上

景気政策としてのベーシックインカムの側面と実語教の意味

ベーシックインカム(以下はBI)の経済政策としての側面
BIは一般には貧困対策などの福利厚生政策として論じられることが多い。しかし、BIを導入しても、一定の金額があまねく支払われるだけであって貧富の解消にはならない。しかし、その一方で今後、ロボットやAIの技術が進歩して、ほとんどの仕事を自動化できるような時代には仕事をしたくても、希望する仕事につけなかったり、そもそのその仕事がなくなり、収入を得られない人口比率が増大すると懸念される。商品を供給するシーズとしてのメーカ側の機能は充実し、それを消費したいというニーズも高いのに、消費すべき人に収入がないために消費できないというジレンマに陥る危険がある。

BIはデフレ対策として有効か
ニーズはあるが、収入がないもしくは収入が低下するとどうなるか。人々はより安いものを志向するようになる。多少ニーズと違っても、必要十分な商品が100円ショップで購入できるのであれば、高価な店では購入しなくなるだろう。飲食にしても、同じようなものなら安い店にニーズがシフトするだろう。結果として、デフレは加速するかもしれない。しかし、生きるために必要な衣食住を賄うための必要最小限の収入をBIとして確保できるのであれば、その収入の範囲内で少しでも美味しいもの、少しでもおしゃれなものを嗜好するようになるのではないだろうか。

BIはインフレ政策として有効か
BIの財源問題があるので、例えば最初から月額7万円を支給するのではなく、数万円から初めて効果を見極めながら徐々に増額するのが現実的だろうという意見がある。それは一理ある。支給金額が増えすぎるとインフレが懸念されるため、適正な金額に抑えるべきともいう。それはその通りだ。

BIの増額を抑制できるのか?
しかし、仮にBIを開始し、効果を確認できたので、金額を増額する。きっと国民は喜ぶだろう。もっと増額してほしいという希望が増えるだろう。そんな国民のニーズを組んで増額を宣言する政治家が当選するようになると、まさにポピュリズムの結果として、政治家は増額を推進しようとする。多少インフレ懸念があったとしても、国民が望む増額をやるのだから国民が反対することはない。

インフレ政策が引き起こすこと
一旦、インフレが発生するとどうなるのだろう。政治家は国民の人気を得るためにBIの増額を宣言して、国民もこれを歓迎する。しかし、過剰なBIの増額がもたらすものはインフレであり、通貨価値の減少だ。その結果として、タンス預金としてせっせと貯蓄した資産は目減りして国民は損害を受ける。一方、政府は多額の負債が実質的に目減りして、政府は利益を得る

BIの制限とフェイルセーフ

予算の制約もあるため無制限にBIを増額することはできない。しかし、政府は、国民を煽ってさらにBIの増額とそれに伴うインフレをさらに加速しようとするかもしれない。したがって、BIを導入するときには、段階的な増額は実行可能なプランであるが、上限の宣言をするべきだ。また、一旦インフレが加速したときには、BIを減額して、インフレを鎮静する市場メカニズムをあらかじめフェイルセーフの仕組みとして盛り込んでおくべきだ。

BIバブルの懸念
これをBIバブルのリスクと定義したい。人間の叡智でこれを未然に防ぐことが可能と信じたい。しかし、人間は体制に流されやすい側面もある。冷静な判断が出来ないという愚かな性癖を持っているので、BIバブルの発生とBIバブルの崩壊は不可避なのかもしれない。願わくは最初のBIバブルの崩壊からの教訓を得て、それ以降は適切なBI支給額に設定ルールを社会が受け入れることを望みたい。

実語教が教える意味
BIのもう一つの課題は人は何のために生きるのかという精神的な支柱だ。子供からなぜ勉強するべきなのかを問われたときにあなたは何と答えるのだろうか。良い学校には入れても、良い会社に入れる人は少ないだろう。また、その会社で活躍出来る人も少ないだろう。自分で起業する方法もある。でも、起業に成功する人も少ないだろう。大多数の人はどうすれば良いのだろうか?私は、千年に渡って日本人の心を育てた実語教が大きなヒントになると考えている。実語教に関しては別に投稿したものを引用しておきたい。
hiroshi-kizaki.hatenablog.com

まとめ
大切なことはお金ではなく知恵だ。自分を磨き、その知恵を次代に引き継ぐ。そんな社会は前向きで健全で活気に溢れているのではないかと期待したい。BIの目的は格差是正や貧困対策がメインかもしれない。しかし、インフレを誘起することによる景気対策の側面もあることを忘れてはいけない。20年後、40年後の世界がユートピアになるのか、ディストピアになるのかは、今後の技術開発や技術研究だけではなく、社会面での仕組みの検討が重要だし、その中でもBIの是非は最重要なキーワードだろう。しかし、本当にユートピアにするには、一人一人の人間が生きがいを持って、やりがいを持って、目的を持って自らを研鑽する。成長を実感する。そういったことが重要だ。そのための方法論はここでは割愛するが、少なくとも日本で一千年に渡って語り継がれた実語教の存在ぐらいは知っておくべきだと思う。

以上

日本ITU協会主催のセミナーに参加して感じたこと

日本ITU協会主催のセミナー受講
5月10日の午後に市ヶ谷で「ブロックチェーン・エコノミーの最新動向」と題したセミナーが開催され、都合がついたので参加しました。懸念事項など感じた点などを少しまとめて報告したいと思います。

日本ITU協会をご存知でしょうか?
日本ITU協会とは、ITU等の国際機関の各種活動への協力や資料の収集、途上国への技術協力などを行なっている一般財団法人です。また、ITUとは、国際連合の下部組織である国際電気通信連合(International Telecommunication Union)の略であり、現在は事務総局に加えて,ITU-R(無線通信部門),ITU-T(標準化部門),ITU-D(開発部門)の3部門体制となっています。

ITU機関の変遷
通信は、電信、電話、加入電信、データ通信と発達し、現在はインターネットが全盛期です。通信の勧告を制定するCCITTや無線の勧告を制定するCCIRがそれぞれ1925年と1927年に設立し、それらが現在はITU-TITU-Rとなっています。通信規約の実効的な制定機関の変遷
電話やテレックス、ファックス、データ通信といった伝統的な通信方式は、各国の研究機関の英知を集め、CCITT勧告として標準化した。勧告化は4年毎に制定され、それぞれをブルーブックとかレッドブックとして、いわば通信技術者のバイブルでした。しかし、1980年代に登場したインターネットは米国防総省が構築したARPAnet(Advanced Reserch Projekuts Agency net)を起源とする分散型のコンピュータネットワークであり、その通信規約のコアは有名なTCP/IPです。

ブロックチェーンの登場
今回の主題となるブロックチェーン技術は、ナカモトサトシが発案した方式です。2008年に暗号理論に関するメーリングリストに投稿し、2009年にはこれを実現するソフトをネットで公開しました。現在実用化されているブロックチェーンのソフトは、このナカモトサトシさんが公開したソフトを起源にしたものです。

講演者である岡田仁志さんの紹介
現在は国立情報学研究所学研究所の准教授です。ビットコインブロックチェーンに関する図書も数多く執筆されているので、ブロックチェーンに興味のある人であれば、岡田さんの図書を読まれた方も多いのではないかと思います。今回のセミナーの内容は、次の3点についてでした。

1) 分散仮想通貨の構成

2) ブロックチェーンによる所有権

3) ブロックチェーンエコノミー

セミナー概要のポイント
その内容を詳しくレビューすることは割愛しますが、ポイントは、ビットコインなどの仮想通貨は、支払い>記録>採掘>報酬>承認>流通という流れで処理されること、ブロックチェーンでは資産は分散化された台帳に転々譲渡され特定の誰かが所有するわけではないこと、ブロックチェーンエコノミーはブロックチェーンコードの技術という層とこれを活用する経済面の層とこれを規制する法制度の層の三層で構成されること、今後重要なことはこれら3つの層のそれぞれを健全に発展できるように日本として貢献することです。

セミナーを受講して感じた5つの懸念事項

1)分散処理の限界
ブロックチェーンは基本的に分散処理方式であり、特定の統治者を持たないことが特徴です。また、複数の台帳に同じ内容を記載し、一部のデータが欠損したり、改ざんされても、他の分散台帳の内容を照合して復元することが可能です。そしてその処理は基本的に多数決です。また、ブロックチェーンのデータマイングとは、言い換えれば暗号の解読処理です。過去の処理状況を踏まえて10分間隔で解読をします。正しくブロックを解読した人には報酬が割り当てられます。同時に解読した人が複数生じた場合には、解読したブロックが長い人が解読者となります。

2)コンピュータ処理の無駄使い
ブロックチェーンでは、基本早い者勝ちなので、少しでも性能の高いプラットフォームを構築して報酬を得ようとします。しかし、ブロックの解読は一定の時間(現在なら10分)を定めているので、データマイニングする側の処理が高速化されると、より解読が困難なように処理を複雑にします。しかし、それでも、報酬を得ようとしてさらに解読機能を高めるので、さらに複雑な処理にする。これがいたちごっこ的に加速し、結果として膨大なコンピュータ処理リソースの無駄使いに繋がる傾向にあります。

3)中国の特定地区にマイングセンターが集中する理由
マイニングのためのコンピュータを稼働するには大量の電力を消費します。アイスランドでは、マイニングのための電力消費が100メガワットを超え、アイスランドの34万人の市民が使う電気量よりも多いという。また、マイニング業者は電力料金の安い場所を求めている。中国の四川省雲南省はマイニングを行うマイナーのメッカとなっている。これは、これら地区では豊富な水資源に恵まれていて、アイドル電力などをマイナーに低廉な料金で提供することで相互にメリットがあったためだ。しかし、電力量が指数関数的に増大すると、これらのWIN-WIN関係も破綻する可能性がある。
news.yahoo.co.jp

4)分散運用ではなく実質的に統治される懸念
ブロックチェーンの最大の利点は特定の統治者がいないことだ。しかし、例えば過半数のマイナーを統治する誰かが出現した場合いは、その誰かが実質的な統治者になり得る。中国政府がブロックチェーンをどのように活用しようとしているのかは慎重に見極める必要があるだろう。

5)仮想通貨がアジア圏の実質通貨となる懸念
トランプ大統領はアメリカファーストを宣言している。これは世界の統治者としての地位を退くということだ。しかし、アメリカが世界の統治者から退く場合にどこが新たな覇権国になるのかといえばやはり中国が有力候補だろう。インドはその次だろう。通貨の世界でもポンドやユーロからドル支配に転じたが、そのドル支配もさらに中国元の支配に変遷するのかというと、それには米国資本家はノーだろう。しかし、仮想通貨を中国政府が後押しし、その仮想通貨が実質的なアジアの支配通貨や世界の支配通貨になるのだと米国資本家はノーというのだろうか。昨年の夏にビットコインが分離し、ビットコインキャッシュが誕生したときには、ビットコイン保有者には同額のビットコインキャッシュが付与された。仮定の話としても、例えば中国がビットコインチャイナ(仮称)を創設し、ビットコイン保有者には同額のビットコインチャイナを付与し、そのあとビットコインを実質的な運用停止にすれば、ビットコインのエコノミーが全てビットコインチャイナが継承してしまう。こんなシナリオを描いている人はいないと言えるのだろうか?

まとめ
ブロックチェーン技術は、1980年代にインターネット技術が登場したときと同じような爆発力を感じる。今後の数十年の技術動向を左右する重要な技術の一つになると期待されている。しかし、今回記載したような懸念も多い。処理速度を無駄に使わず、管理者を明確にして、その監査機能も付与するようなエコなブロックチェーン2.0ともいうべき仕組みを考えない限り、現在の勢いのままにブロックチェーンビットコインが世の中に浸透するとは思えない。また、個人的には、民間の私企業ではなく、民間の銀行ではなく、中央銀行でもなく、政府が政府発行の仮想通貨を発行するのが最も合理的なように感じます。まだまだ、不明なことが多いし、ブロックチェーンの可能性は無限大なので、どのようなエコノミー活動にはどのような運用や仕組みが適切なのかといった議論をしかるべき国際機関が行うべきだが、現在のITUにはそのような権限も力も(多分)ないのが残念です。

以上

iCloudの仕組みとベーシックインカムの仕組み

Apple MusicとiCloud
子供の頃に喫茶店に置いてあるジュークボックスを見て驚いた。機械の中にレコードがあり、お金を入れてボタンを押すと機械が自動的に指定したレコードをピックアップして、プレーヤにセットして、針が落ちて、音楽が鳴り出す。なんてすごい機械だと感動した。大きくなったら、お家にジュークボックスを置きたい!それが子供の頃の夢だった。2000年の頃には携帯に音楽を保存して聴くことができるようになった。2008年になってiPhoneを使い出すとiPhoneにはもっと多くの音楽を保存できた。これって昔夢見たジュークボックスだ!と感動した。今は、スマホだけではなく、iCloudに連動しておくと、iMacで購入した音楽もiPhone Xで購入した音楽も意識なく聴ける。なんと便利なのだ。

気がついたらiCloudの容量増強
Apple Musicを無料でダウンロードできるとあり、調子に乗ってダウンロードしていたら、増量したはずのiCloudの空き容量がないという。結局は、50GBでは不足ということで400GBに拡張した。それでも、月額130円が月額400円だ。スタバのコーヒー一杯だと思ってつい、容量拡張してしまった。結局、Appleは音楽のダウンロードを無料にしても、それを保存するiPhoneiCloudの容量の提供で儲けているのではないか。なんと上手いビジネスモデルだと感心した。

ベーシックインカムの原資
最近は、テレビでもベーシックインカムが議論されることがある。年齢や性別や年収や学歴といった個人属性にかかわらず例えば月額7万円を無条件に支給する社会福祉制度だという風に紹介される。そこで賛成意見や反対意見というか、慎重な意見などが交わされる。懐疑的な意見のもっとも一般的なものは、原資はどうするのかというものだ。次は、そんなことをしたら誰も働くなくなるのではないかというもの。また、不正に取得しようとする人が出るのではないかとか、日本人の定義とか、まあ色々と議論が白熱する。この中でも特に問題なのは、例えば1.3億人に月額7万円として、年間100兆円もの原資=税源をどうやって捻出するのかというものだろう。

金は天下の回りもの
昔の人は、お金の真理をよく理解していた。お金というのは、天下を回転するから意味がある。箪笥に保存しているキャッシュが一番安心と思っている高齢者が多いという。そのキャッシュは活用されない限り何も生まない。日本の企業が海外で稼いだお金も米国債を買わされて、円に変換できないなら意味がない。銀行の口座に預金していても、カネ余りで誰も銀行から借りなければ意味がない。要は、お金という仕組みは、世の中で活用されてこそ意味がある。しかし、現状は貧富の格差が拡大して、富裕層にはどんどんお金が集まる一方で、貧困層は働いても働いても貧困から抜け出せない。金利を下げても下げても企業は銀行からお金を借りない。企業は儲けてもその利益を準備金として企業内に留保する。このような状況を打破するにはどうすれば良いのか。金利政策の効果が限定的なことを世の中の多くの人は感じている。

ベーシックインカム
国民一人一人に無条件にキャッシュを配るというとこれは社会保障制度と看做される。しかし、それだけではない。個人的には、社会を活性化する経済政策としての効果の方が大きいのではないかと思う。現在の社会はカネ余りなので銀行は怖くて金利をあげることができない。金利を下げれば貸し出しが増えるはずだが、企業もキャッシュに困っていないので借りない。しかし、政府の支出は減らないので、国債だけが増えて行く。そして、国債の償還と利払いのための費用が平成28年度予算案で23兆円と歳出の約25%を占めている。逆に、それだけの支払いを一体誰が受け取っているのかという疑問が起きる。

日本銀行のバランシシート
下の図は、1998年12月末の日本銀行のバランスシート(B/S)が2018年2月末にどのように変化したかを示したものだ。出典はバンカーからトレーダになり、現在は政治家をしている藤巻健史さんのホームページに掲載されているものだ。日本銀行の資本金は1億円だが、その総資産はなんと20年間で91兆円から533兆円と5.8倍に急増している。そのうちの国債は52兆円から451兆円へと8.7倍に急増している。これはどのように理解すれば良いのだろうか。
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(出典:https://www.fujimaki-japan.com/takeshi/5499

政府発行の紙幣と硬貨
1万円札などの紙幣を発行するのは日本銀行だ。日本銀行は、政府から借用書(=国債)を発行してもらって、その代わりに紙幣を発行する。少し乱暴な説明だが、そのように考えると銀行の役割はわかりやすい。江戸時代には幕府が通貨を発行していた。しかし、明治維新前後に海外の銀行という仕組みが日本に導入され、世界の資本家は日本国政府に借用書を発行してもらうことを条件にお金を日本市場に流通させた。これはこれで日本の近代化にも貢献した。しかし、今後も日本銀行に依存し続ける必要があるのだろうか。一方、一円硬貨などの硬貨は日本国政府の大蔵省が発行している。2015年9月時点では紙幣が91兆円、硬貨が4.6兆円なので、硬貨の流通額は紙幣の流通額の約20分の1だ。なお、紙幣の流通額は2017年末で約106兆円まで増えている。注目を集めた仮想通貨の流通額はどれほどなのでしょうか。

仮想通貨の流通額は70兆円?!
昨年末にピークを示したビットコインをはじめとする仮想通貨の流通額は、下のブログの試算では70兆円だという。ビットコインはこのうちの約30兆円だ。2018年に入ってバブルも崩壊して値下がりしたので、この流通額も激減しているのだろうけど、紙幣に匹敵するレベルまで持ち上がったのは驚きだ。
coinotaku.com

政府発行の仮想通貨
仮想通貨の方向性はいくつかある。まずは、現在のように分散型の仮想通貨だ。昨年末のバブル崩壊を乗り越えて生き残ることができるかどうかが勝負だろう。次は、銀行が発行する仮想通貨だ。三菱東京UFJ銀行モルガン・スタンレー銀行、さらに中央銀行も着々と準備をしている。例えば、国際決済銀行(BIS)は、各国の中央銀行が発行する仮想通貨のために中央銀行暗号通貨(CBCC)ガイドラインを2017年9月に発行した。また、国家が仮想通貨を発行する動きもある。エストニアが発行することを検討しているエストコインだ。今後は、民間発行の仮想通貨と、中央銀行発行の仮想通貨と、政府発行の仮想通貨が混在し、覇権に向けて熾烈な競争を繰り広げるのだろうか。
ico-currency.com

政府発行の仮想通貨によるベーシックインカムの実現
中央銀行が発行する紙幣や仮想通貨でベーシックインカムを実現しようとすると、どうしても政府は日本銀行に借用書(国債)を発行する必要がある。しかし、その仕組みは限界にきているのではないか。一方、政府が政府の施策として、国が発行する仮想通貨を活用して、ベーシックインカムを実現する場合には、借用書は不要だ。そして、政府が発行する仮想通貨を仮にビット円とする。このビット円を政府が円との互換性を保証すれば、それはお金となる。日本国民全員に例えば、一人7万円のビット円を支給することを決めれば、国民はそのビット円を用いて生活に必要なものを購入する。商品やサービスの売買が発生すると、購入者からは消費税を徴収できる。提供者が利益を上げれば法人税を徴収できる。年間100兆円のお金が国民に供給され、それを国民が消費すれば、企業は100兆円の売り上げをあげる。そして、プラスの循環を起こすことができれば、この経済効果は100兆円を上回り、結果として、原資の問題がなくなるか少なくなるのではないか。

実現するための課題
そんな夢のようなシナリオは本当に実現するのだろうか。当然、解決すべき課題は多いだろう。経済の専門家でない自分にはその全ての課題を議論する能力も見識もないが、技術的な課題を中心にいくつかは指摘してみたい
1) 仮想通貨を利用するインフラの構築
2) ビット円の流通情報=ビッグデータの活用
3) 個人情報の保護

1) 仮想通貨を利用するインフラの構築
 ビット円の支給方法としては、プラスチックマネーが有力だろうか。FELICAのようなICチップ内蔵とする。個人的には、iPhoneApple Watchでも使えると便利。無線部分はNFC準拠とする。仮想通貨というよりは、政府発行の電子マネーというのが実態に近いものかもしれない。
2) ビット円の流通情報=ビッグデータの活用
 ビット円の利用状況をビッグデータとして蓄積すれば、1億3千万人の国民が何を買っているのか、何にお金を使っているかを全てわかることになる。これって怖いけどすごい。少なくとも、一部の私企業に対してこのような個人情報の管理を独占させるべきではない。政府が信頼できるかは別の問題だけど、少なくとも、匿名加工情報として、個人情報となる部分をマスクして、商活動に活用可能な情報に加工して、オープンデータとして活用可能となれば、その経済効果は大きいのではないだろうか。
3) 個人情報の保護
 ビット円の利用状況はビッグデータとして大きな価値を持つが、その反面個人情報の塊であり、セッキュリティ対策には十二分の対策が不可欠だ。

まとめ
 連休で少し自由な時間が取れた。なんだかまとまりのないブログになってしまったけど、ベーシックインカムを経済政策として考えると、新たな側面が見えてくるのではと考えた。ベーシックインカムの原資が議論になるけど、100兆円のビット円を国民に均等に配布し、国民がそのビット円をありがたく活用して(=消費)すれば、消費活動=生産活動が活性化する。結果として税収入が増大する。ビット円の利用状況をビッグデータとして蓄積して、活用する。生活レベルをあげるのは簡単だけど、下げるのは大変。言い換えるとビット円として可処分所得が増えて、そのビット円で生活レベルが上がったら、それを下げるのは嫌なので、もっと頑張って稼ごうと思うのが人間の心理ではないのだろうか。そんなビジネスチャンスとなるネタを政府がオープンデータとして提供する。国民が求めるものを理解し、安心・安全な社会を効率的に実現する。そんなことがベーシックインカムの導入をきっかけとして実現できないものだろうか。つまり、音楽ソフトを購入することでお金を儲けるのではなく、ダウンロードした音楽を保存して、いつでも利用可能な環境にお金を払うapple の戦略を見習って、原資がないとベーシックインカムを提供しないのではなく、ベーシックインカムを提供して、その経済効果を原資としてお金を回す。そんなことは不可能なのだろうか。妄想は膨らむ(笑)。

以上

MacKeeperにご注意を!

快適なMacx2台環境
3月まではMacBookAirを愛用していた。でも、購入して5年も経つとゴミが蓄積してきて、空容量がどうしても少なくなる。デスクトップ型のiMacを購入して、過去のデータなども全てiMacに整理した。なので、思い切ってMacBookAir(以下、MBA)をリセットしてOSのインストールにトライした。

MBAのOSのバージョンアップ
MBAをリセットするのは簡単だったけど、OSをインストールしようとしたら、5年前の購入時点のOSだった。もう全然ダメ。仕方ないので、表参道のApple Storeの開店に合わせて飛び込んだ。結局、最新のOSまでアップデートすることで解決できたけど、長かった。

OFFICEのインストール
MBAにはOFFICEをインストールしてたけどもう有効期限が終了しているようだ。iMacを購入時に一緒に購入したOFFICEをMBAでもインストールしたら問題なく動いた。というか、GoogleのIDを入れるだけで本人確認ができたようで超簡単だった。

WMVの動画がパワポで再生しない
一難去ってまた一難。今度は、会社が作成したWMVの動画をパワポに貼って再生しようとしたら再生しない。色々調べてもむずいので、またApple Storeにいく。最初に訪問した時に、1週間後に予約しておいて良かった。結局、ALCというソフトをインストールして解決した。でも、その後も音が出ないとか、再生時間が短いとか問題は出たけど、音声のコーデックをAACにしたり、動画変換が完了するまで待つことで解決した。

iCloudの活用
MBAiMACをシームレスに活用するには、iCloudの活用が有効だ。でも、iMACのドキュメントを全てiCloudに移動しようとしたらハングしてしまった。容量不足だ。仕方ないので50GBに拡張したけど、それでも、全てを共有することはできない。そのため、iMACをベースにして、MBAでも共有したいものをiCloudにUPした。そして、MBAではこのiCloudにアップしたものをシェアする。Wi-Fi環境では、ほぼリアルタイムで同期が行われている。しかも、処理はiMACもしくはMBAで行い、裏でiCloudと同期している。この辺りの作りがユーザオリエンテッドだ。さすがだ。ストレスが全然ない。素晴らしい。

MacKeeperにご注意を
試行錯誤しながらやっと、iMacMBAの2台がシームレスにかつ、快適に利用可能となり、ハッピーな日々を過ごしている。しかし、好事魔多しというが、本当に油断大敵だ。技術士情報工学の技術ノートを更新しようと調べ物をしていたら、綺麗なサイトが出てきて、さらにMacKeeprをインストールすると快適に使えるという。まあいいかとダウンロードして、インストールボタンを押そうとした時に、なんとなくこのネーミングが気になった。また、機能もディスクの整理とか、ちょっとやばい。すぐにインストールするのはやめて、ネットでMacKeeperの口コミを確認してみたら、なんとウイルスが出たと脅して、PC(マック)を乗っ取ろうとする悪いアプリだった。あ〜!!!ヤバかった!!!!インストールしなくてよかった!!!もし、インストールしてたら、これまで苦労して構築した素晴らしい環境が台無しになるところだった。
www.imyme9.com

まとめ
好事魔多し!環境が悪いよりも、環境は良い方がもちろん嬉しい。でも、変なアプリを入れたら台無しです。人生も好調だと過信している時に限って落とし穴につまづくものだ。慎重に、謙虚に、そして楽しくゴールデンウィークを過ごしましょう。

以上

やる気=使命感×責任感×ワクワク感

はじめに
最近、良い図書を自由に読める夢のような環境にある。どういうことかというと、4月から勤務している職場のアイデアで従来は倉庫になっていたところを改装して、ライブラリーコーナーができた。そこはTsutayaとスタバがミックスしたような素敵な環境だ。寸志(100円)でコーヒーも飲めるし、気になる図書を借りたり、ソファーで読んだりできる。すでに20冊ぐらい借りて読んだ。正直、流し読みで終わる本もあるし、じっくりと読みたくなる本もある。

僕らの未来を作る仕事
これは東大医学部を卒業し、脳外科の研修を受け、海外留学して、そこからマッキンゼーに転職して、いまはスタートアップ企業の経営者という異色の医者が初めて書いた図書だ。その経歴もすごいが、読んでいると共感できることも多い。ぜひ一読をお勧めしたい。その中の終盤に書かれていた仕事のやる気や優先度に関する記述が独特だったので紹介したい。
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(出典:amazon

やる気の定義
仕事のやる気を分解すると、使命感と責任感とワクワク感になる。仕事には、A=自分がやりたいこと、B=自分がやるべきこと、C=自分しかできないことの3種類がある。そして、このAとBとCという3つの円が重なるところで勝負をすることが重要だという。また、AとBが重なると使命感が得られる。BとCが重なると責任感が得られる。そして、CとAが重なるとワクワク感が得られる。使命感があり、責任感もあり、さらにワクワク感もあるような仕事ならもうやる気は120%だろう。

ポジションを取る
仕事を行う上で大切なことはポジションを取ることだという。つまり、自分の考えや意見を持つということだ。自分は何をやりたいのかを自問自答する。現在の環境のもとで自分は何をやるべきかを客観的に分析する。そして、自分しかできないような得意分野を磨く。そのような努力をすることで、仕事に対する自分の意見を明確に持つようになる。日本社会では、個人の意見を主張することはあまり評価されない側面があるように言われるが、そんなことはない。では、どうすれば自分の意見を持てるのだろうか。

最後まで考える習慣
何か問題や課題が会った時に、人の意見に耳を傾けるのは大切だ。そして、その意見に100%賛成できるのか、100%反対なのか。賛成か反対かを聞かれるが、合意できる部分もあるが、合意できない部分もあるようなケースが多いのではないだろうか。そのような時に、どの部分には合意できるのか、そして、どの部分には合意できないのか、それはなぜなのかを突き詰めて考える習慣を身につけることが重要だという。最後まで考えることで積極性と責任感が養生されるという。

優先度を考える
複数の仕事に対応する時に、通常より優先度を考えて対応すべきと言われる。しかし、この著者は単なる優先度ではなく、次の3つを考えるべきだという。
 1) その仕事が必要かどうか
 2) その仕事が緊急かどうか
 3) その仕事がボトルネックになるかどうか

仕事の進め方
著者自身が医者としての仕事とマッキンゼーでの仕事は全く異なると言っている。医者は、目の前の患者を全力で治療することを考える。計画よりも実践だ。しかし、マッキンゼーでは、資料を作成したり、プレゼンをすることも重要だが、それ以上に仕事に着手する前の戦略が重要だという。それはそうだろう。あなたの仕事はどちらがより優先されるのだろう。しかし、どんな仕事であっても、前述のように、その仕事が必要なのか、緊急なのか、ボトルネックにならないかという観点で考えることは有効だろう。まず必要でない仕事はすべきでない。しかし、これも簡単なようで難しい。なぜなら、必要か必要でないかの判断は個人によって異なるからだ。自分は必要と思っても上司は不要と判断するかもしれない。その逆もある。緊急かどうかの判断も個人に委ねられる。ある人にとっては非常に緊急な案件も、他の人にとってはそうでもないことはある。特に、チームで仕事をしている人なら、必要か緊急かという判断をチーム内でよく意見を交わしてコンセンサスを得ておく必要がある。そして、最後のボトルネックになるかどうかは、やはりその仕事を客観的に見れているかどうかだ。より上位の視点から全体を見回して、全体の中のボトルネックになっている部分を集中的に強化するのはマネジメントの鉄則だが、そのような視点を持つということだ。

まとめ
この著者がチャレンジしている医療系のWikiともいうべきMEDLEYや遠隔診断を可能とするCLINICSもよく考えられている。興味のある人は是非購読するか、調べて欲しい。日本には、著者のように未来を作る人材が多数いるはずだ。そんなパワーをうまく活用できる社会にできれば、日本の未来は明るいと感じることのできる素晴らしい図書でした。

以上

社会問題と子供のいじめ問題

セクハラ対パワハラ
最近は、ゴシップネタともいうべき低レベルな問題が新聞、雑誌、テレビで糾弾されることが多い。官僚のトップである事務次官が女性記者に不適切な発言をして、セクハラをしたという。これが本当なら弁解の余地のない問題だろう。しかし、同時に女性記者は所属する会社に対して、セクハラを受けていることを訴えたのに、それに適切に対応しなかった。真実は不明だが、もし会社が女性記者に対して、それでも記事をとってこいとプレッシャーを与えていたのであれば、それはパワハラではないのか。双方にそれぞれ反省すべき点がある場合には、喧嘩両成敗だろう。事務次官は辞職しても、報道機関のトップは辞職する気配もない。これって公平なのだろうか。

公益通報者保護法の限界と改正の必要性
公益通報者保護法をご存知でしょうか?これは、内部告発者が不利に取り扱いされないように内部告白者を保護する法律だ。これに基づき、内部告白者を解雇や減給にするような取り扱いにされない仕組みだ。あらゆる問題が対象となる訳ではないが、パワハラも法規制の違反行為であるから、対象であるべきだろう。内部告発者が通報すべきは、1) 事業者内部、2) 監督官庁や警察・検察等の取締り当局、3) その他外部(マスコミ・消費者団体等)の3つだという。この法律に基づけば、まず女性記者は、上司に行っても対応してくれなければ、会社のコンプライアンス部門や監査部門に申告すべきだった。そして、ここでも対応してくれなければ総務省に申告し、それでもダメなら外部機関に申告すべきだった。今回は、その手順をすっ飛ばして、雑誌の会社に情報を提供した。しかし、この法律に沿った手順は現実的なのかという疑問を抱く。

セクハラ&パワハラ被害者の救済とハニートラップ論争
公益通報者保護法に定める手順で申告していないと女性記者を責めるのは、適切ではない。女性記者の行動は適切ではなかったかもしれないが、ではどうすればよかったのだろうか。適切に対応できるような内容に、公益通報者保護法を改正すべきではないのだろうか。今回のようなセクハラとパワハラが例外的なレアケースであれば良いが、氷山の一角ではないかという懸念もある。そして、被害者として辛い思いをしている人たちが大勢いるとしたら、その人たちを救済する仕組みを導入することが最重要なのではないだろうか。事務次官の退職金を話題にする方が視聴率を取れるのかもしれないが、人を責めるのではなく、仕組みを改善すべきだと思う。そして、そんなことはないとは思うが、誰かが何かを目的として、ハニートラップの指示を女性記者に出していたのだとしたら、それこそ糾弾すべき事件ではないのだろうか。

子供の社会は大人の社会の縮図
行政を指導すべき官僚のトップと、公平な報道をすべき会社の体質が絡む今回のような問題の場合には、何が本当で何が本当でないのかが全く分からない。そして、このような騒動を子供達がテレビのニュースで日々見ていることを再認識すべきだ。大人は子供の模範となる行動をすべきだ。でも、日々報道されるのは低次元なゴシップネタだ。そして、マスコミは、ターゲットを決めたら徹底的に糾弾し、それを一般国民は傍観者となってそうだそうだと批判する。そして、ターゲットとなった人は社会的に抹殺される。この構図を子供が真似をしている可能性はないのだろうか。いじめの問題はこれまでも何度か取り上げたが、子供の社会は大人の社会の縮図だ。子供にだけいじめはいけないと言って、どれだけの説得力があるのだろうか。

まとめ
子供は日々大人がしていることをよく見ていることをやはり肝に銘じるべきだと思う。そして、マスコミも行政も政治家も良識ある行動を示して、子供の模範になるような姿を示してほしい。マスコミは警察でも検察でも裁判所でもない。国民の感情を煽って人の行動や人格を糾弾するのではなく、問題の再発防止のためにはどのように社会の仕組みを改善すべきか等、前向きな議論をする姿勢をぜひ示して欲しいと思う。

以上