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日本の起源:そばの起源。江戸時代に開花。

飛騨古川のお蕎麦
本日(11/29)は、飛騨市を訪問している。待ち合わせの時間まで少し余裕があったので、飛騨古川駅に途中下車して、飛騨の匠の技を展示している「飛騨匠館」に向かった。その前に、その向かいにある飛騨古川の「福全寺そば」でそばを頂くことにした。土日だと行列ができていてなかなか入れないが、本日は平日なので、すぐに入れた。そばは、7寸、8寸、9寸等がある。7寸は子供向け8寸は普通、9寸は大盛りだ。自分は、少し控えめに7寸にした。手前の小さな半円形は大根だ。お出汁がしみていて美味しい。食べ方は自由と言いながら、もりそばの「お召し上がり方」が書かれていたので、それに沿って頂いた。お塩も美味しい。わさびも効いている。なかなかのものだ。飛騨高山で聞いたところでは、高山はうどんもあり、そばとうどんは半々ぐらいということだったけど、飛騨はそばの方が多いのだろうか。
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(出典:筆者が撮影)

そばのルーツ
先日、掲載した麺の起源では、切り麺の系にうどんとそばが位置付けられてる。そばも切る麺なのでもちろん異論はない。しかし、うどんとそばでは材料が異なっている。小麦粉を材料にした麺類をこのような系統図で整理するのは賛成だけれども、小麦粉とそば粉では、そもそもの材料の伝播ルートが異なる可能性もある。

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(出典:日清食品のホームページ、参考1)

ソバの実の特徴
蕎麦は麺類、ソバはその材料としてのソバの実を示す。ソバの実は寒冷地や酸性土壌、肥沃度の低い土壌でも3ヶ月程度で短期に栽培できる。このため、日本では長く飢饉のための非常食(救荒作物)の扱いだった。そもそもソバの実は外来種だ。では、どこからソバの実が日本に伝播したのだろう。

1) 東南アジア起源説
ソバの実はワールドアトラスの文献によると紀元前6000年頃に東南アジアで栽培され、そのあと中東、ヨーロッパ、中央アジアに広がったという。

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(出典:ワールドアトラス、参考2)

2) 中国雲南省起源説
村井氏と大西近江氏は1980年から2000年にかけてインド、チベット四川省などの品種のDNAを調査して、中国雲南省を起源とし、中国北部を経て、朝鮮半島を経由して日本にいたった伝播ルートを報告している。

3) その他
スイスの植物学者であるド・カンドルが中国北部からバイカル湖南部付近が起源とする説を提出している。シベリアからの北ルート、中国からの九州へのルート、朝鮮半島から対馬へのルートなどがある。これ以外にも、黒滝江上流説、ネパール説、プータンなど諸説があるが、現在は、中国雲南省起源説が有力だ。バイカル湖の説も興味深い。

縄文時代にソバの栽培
高知県縄文早期時代の遺跡からソバの花粉が見つかった。縄文早期とは紀元前7300年前のものだ。ワールドアトラスによれば紀元前6000年前をソバの起源にしているので、ソバはあったが、それを食するようになったのが6000年前ということなのか。お米の最も古い発見は縄文時代前期なので、紀元前4000年頃だ。当時の日本ではお米よりも古くからソバを食べていたのだろうか。さいたま市岩槻の遺跡からもソバの実が発見されている。これは縄文時代晩期なので、紀元前1000年から500年だ。
(出典:ソバヤコム、参考3)

北海道で見つかったソバの遺跡
北海道では、縄文時代前期末(紀元前3500年前頃)の南茅部町ハマナス野遺跡から一粒のソバが出土した。これは大陸起源の最も古い栽培植物だ。縄文時代に北海道でソバが栽培されていた証左だ。ソバは朝鮮半島を経由して日本に伝播したルートが有力とされているが、本土からさらに北海道まで北上したのだろうか。サハリンから北海道に伝播したものが本土に伝わったという可能性もあるのではないか。

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(出典:雑穀栽培から見た北海道と大陸、参考4)

ソバの調理法
日本では、ソバをこねて、面状になったものを包丁で切る蕎麦切りをして、さらに茹でる。このような調理法をしているのは日本だけだ。日本以外の国では、粥や餅、焼き菓子、押出麺、そばがきとして食料に供している。フランスでは、ソバクレープといったお洒落な食べ物になっている。普通のクレープよりもポキポキしているが、美味しいようだ。
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(出典:FC2ブログ、参考5)

世界のソバの生産高
国連の調査によると、2014年時点のソバの全世界の生産高は約200万トンだ。最大生産国は中国で約70万トン、ついでロシアが66万トンで、さらにウクライナ、フランスなどが続く。日本は圏外だ。一方、一人当たりの消費量で見ると、下の図のようにリトアニアが7.4(kg/人)とダントツだ。ついで、ロシア、ウクライナカザフスタンと続く。東欧での消費が多い。日本はフランスについで、7位に入っている。この8月にバルト三国を旅行し、遺伝子的に親しみを感じることが多かった。リトアニアは、杉原千畝ユダヤ人を救出するために命のビザを発行し続けたことが美談となっている国で、国民性は陽気だ。現地にはいわゆる日本のような蕎麦屋はないが、現地で蕎麦屋を開業したら、ソバ好きのリトアニアに受け入れられるだろうか。

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(出典:Buckwheat、参考6)

日本における蕎麦屋の分布
話を国内に戻そう。蕎麦屋が最も多い県はどこだろうか?タウンページに掲載されているお店のランキングでは、長野県がトップだ(2014年)。全国には24,924店舗あり、人口10万人あたりの店舗数は平均で約20軒だ。全国的には5000人に1店舗という比率だ。長野県ではどう52.26軒なので、全国平均の約2.5倍だ。店舗数ではさすがに東京都がダントツだ。今住んでいる愛知県には立ち食いそばがほとんどないので困る。このランキングでは、28位で10万人あたり16.3軒だった。ちなみに最下位は高知県で34軒、10万人当たりでは4.56軒だった。高知といえば、約9000年前の遺跡からソバの花粉が出るなどソバとは縁が深いのに残念な結果だ。ただ、調べると高知県にも美味しい蕎麦屋があるようだ。
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(出典:都道府県別統計とランキングで見る県民性、参考7)

平安時代の貴族は蕎麦が嫌い
ソバに関しては、『類聚三代格』には723101付けで、ソバ栽培の奨励を命じた太政官符を掲載されている。つまり、奈良時代には蕎麦の栽培は本格化していたようだ。また、平安時代中期の歌人である道命(藤原道長の甥)が蕎麦料理に対して、「食膳にも据えかねる料理が出された」という和歌を詠んだという。平安時代の貴族層はソバを食する習慣がなかったということになる。つまり、ソバは弥生人の食文化ではなく、縄文人の食文化として日本に根付いたのだろう。この時代のソバは農民が飢饉に備える非常食だったようだ。また、蕎麦の語源は南北朝時代に書かれた『拾芥抄』だ。蕎麦との肉との食い合わせを禁じている。
(出典:Wiki、参考8)

鎌倉時代には「そばがき」へ
本格的な蕎麦を作れるようになるのは、中国から伝来した挽き臼を使うようになったからだという。普及していた小麦と合わせることで蕎麦を美味しく食することができるようになった。

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(出典:電車の旅、参考9)

江戸時代に開花した蕎麦文化
蕎麦を麺として食するようになったのはいつ頃からだろうか。慶長19年(1614年)の『慈性日記』に"そば切り"の文字が出てくるので江戸時代になってからだ。ただし、伊吹山麓の大平寺の付近では江戸時代以前よりそば畑を耕作していた。収穫後は、石臼を使って粉にし練り上げ"そば切り"にして食べていたらしい。奈良時代の伊吹は僧の修行場であった。唐は618年から907年まで中国の王朝であったが、その唐の国から伊吹に来た修行僧がそばを持ち帰り栽培したのが日本での蕎麦の始まりという説もある。しかし、当時の唐の国に蕎麦を食するという記録はあったのだろうか?平安時代の貴族に蕎麦を食する習慣がなかったことを考えるとちょっと疑問を感じる。
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(出典:伊吹山情報と保全活動、参考10)

江戸の蕎麦屋御三家
世界の誇る蕎麦文化は江戸時代に開花した。日本蕎麦の三大系統といえば、「更科蕎麦」「藪蕎麦」「砂場蕎麦」だろう。蕎麦屋は江戸に受け入れられ、1860年には江戸府には3763店のそば屋があったらしい。
1) 更科蕎麦は、信州の行商人であった清右衛門が1789年に開業した蕎麦屋だ。信州からの直売として、江戸で大人気になったという。ソバの実の中心の身を使ったという。日本酒で言う吟醸大吟醸の製造法を応用したのだろう。麺は白く上品な味だったようだ。
2) 藪蕎麦は、ソバの実の皮は薄緑色だが、その皮で薄緑色にした蕎麦だ。今でもうどんが白いが、蕎麦は薄緑なのはこの藪蕎麦の製造法が元祖なのだろう。

3) 砂場蕎麦は、大阪(当時の大坂)の老舗蕎麦屋だ。1751年に出版された蕎麦膳書には、薬研掘大和屋大坂砂場そば」と記載されている。個人的には、かき揚げせいろが好きだ。このような天ざるは1955年に室町砂場で開発されたという説がある。
(出典:そば研究、参考11)

現代につながる蕎麦文化
明日から12月だ。大晦日には、年越し蕎麦を頂くが、このような習慣が定着したのも江戸時代中期だという。一説には、金銀細工師が飛び散った金粉や銀粉をそば粉を使って集めていたらしく、その縁起を担いで蕎麦を節目のタイミングで食べるのが始まりだと言う。それ以外にも諸説ある。
・細く長く伸びた蕎麦は、寿命を延ばし、運を伸ばす説
・博多の承天寺でそば餅を振る舞ったら翌年から運が向いた説
・そばの実が、三稜(ミカド)なことから帝(ミカド)に通じる説
・そばは切れやすい。苦労や厄災をさっばりたちきる説
・そばは風雨に当たっても翌日には立ち上がるのにあやかる捲土重来説
江戸時代には、武士階級は白米を食べるようになり、その結果脚気(かっけ)が流行した。蕎麦を食べる庶民は脚気にならないため健康に良いとして重宝されたらしい。
(出典:そばを楽しもう、参考12)

まとめ
飛騨高山の駅の立ち食い蕎麦屋で、蕎麦を注文した後、蕎麦とうどんとどっちがよく食べられるかを聞いたら、5秒ほど悩んでいた。高山には高山うどんというのがあり、これも美味しいのと蕎麦というと信州を連想するためにその対抗意識があるようだ。しかし、飛騨古川に行くと、地元で栽培した蕎麦で美味しい蕎麦を食べるための運動が展開されていて、蕎麦への深い愛情を感じた。それが冒頭の蕎麦屋だ。あと1カ月ほどで2017年も終わりだ。大晦日には年越し蕎麦を頂くが、そんなことを思い出しながら、2018年に向かうのも一考かもしれない。

以上

参考1:http://world-noodle-dictionary.com/roots/origin.html
参考2:http://www.worldatlas.com/articles/top-buckwheat-producing-countries-in-the-world.html
参考3:http://soba-ya.com/rekisi/741.html
参考4:http://www.utm.utoronto.ca/~crawfor7/gcrawford_site/Japanese_Palaeoethnobotany_files/
参考5:http://gandam4d.blog8.fc2.com/blog-entry-247.html
参考6:http://www.indexbox.co.uk/news/Buckwheat-Manufacturers-Are-Searching-for-New-Niches/
参考7:http://todo-ran.com/t/kiji/13480
参考8:https://ja.wikipedia.org/wiki/蕎麦 
参考9:http://tabi.tobu.co.jp/area/nikko/shiru/201404/
参考10:https://www.ds-j.com/nature/ibuki/Information/access/ibukisoba.htm
参考11:http://sobatomo.jp/publics/index/26/
参考12:http://www.tomisen.net/2014/11/04/12449.html

日本の起源:沖縄とインカを結ぶ縄算(キープ)

沖縄の藁算(わらざん)
下の図は、沖縄県立博物館の子供向けに解説した博士カードを抜粋して、編集したものだ。沖縄では人頭税が廃止される1903年までは藁算が使われていた。竹富島の民族博物館には、藁算の展示が残っている。この藁算は家畜の頭数を計算したり、家族の数を調べたり、さらには計算器のようにも使ったという。中国の歴史書「随書倭国伝」の中の倭人の風俗に、「文字は無く、ただ木を刻み縄を結ぶだけ」と記録されている。この歴史書邪馬台国の頃の日本について書かれた物である為、藁算は、古墳時代以前より日本本土でも使用されていたと考えられていて縄算(なわざん)とも言う。f:id:hiroshi-kizaki:20171128195632p:plain
(出典:沖縄県立博物館、参考1)

インカのキープ(Quipu)
南米のインカ帝国では、キープと呼ばれる縄文字を使っていた。紐に結び目をつけて情報を伝達する方法だ。キープは、物品の種類やその数を記録するのに用いられ、納税などの際には必要不可欠のものだった。インカでは16世紀後半、住民や資源の実態調査のためスペイン人官吏がアンデス山脈を駆け巡ったが、情報集めはいたって楽だったらしい。キープ・カマヨックと呼ばれる地方の名士がキープによる住民台帳を保持していたからだ。インカのキープと沖縄の藁算は類似点が多いが、唯一の違いはキープは縄の色までを含めて情報源とした事だという。同じような縄文字が、インカと古代の日本で使われていたというのは何を意味するのだろう。

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(出典:阪急交通社、参考2)

マヤの数字
古代マヤ文明は20進数を使っていたという。一説には両手と両足の指を使うと20だからという。画期的なのはゼロの概念をすでに持っていたという点だ。ただ、数字を見ていると、5進数のようでもある。
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(出典:数から数学へ、参考3)

ヘブライの数字
ヘブライ語の古典的な記数法が次の図だ。いわゆる旧約聖書ユダヤ歴でも、ゲマトリアとして知られている。ヘブライ語聖書やユダヤ暦などでは、これらの文字を組み合わせて数字を表現している。
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(出典:数から数学へ、参考3)

まとめ
数字というのは不思議な記号だ。エストニアに旅行した時には、骨董屋で古いそろばんや計算尺を見つけて興奮したのを覚えている。最近は、ネットで丸いそろばんがあるのを知った。デザインも中国の陰陽が示している。縄算は北海道や千葉でも戦前まで使われていたというが本当なのだろうか。それ以上に何故インカ帝国が突然、出てくるのだろうか。古代の日本人はインカまで旅したのだろうか(笑)。数字は面白い。
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(出典:マイナビニュース、参考4)

以上

参考1:http://www.museums.pref.okinawa.jp/UserFiles/hakaseka-do-ura(1).jpg
参考2:http://blog.hankyu-travel.com/kaigai/latin-america/peru/2012/090120.php
参考3:http://www.nihongo.com/aaa/chigaku/suugaku/suugaku.htm
参考4:https://news.mynavi.jp/article/20150319-calculator/

日本の起源:麺類の伝播ルート

主な作物の起源と伝播経路
講談社の「世界全地図」によると、世界の主な作物の起源池とその伝播経路が示されている。ここでは、小麦が中近東、大豆はアジア、さつまいもは中米、トマトは南米、、稲はアジア、ゴマはアフリカとそれぞれの起源地が異なっていて興味深い。日本人は納豆とか豆腐とか、きな粉とか好きだが、大豆との付き合いは紀元前4-5世紀からと長いためなのだろう。

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(出典:世界全地図講談社、参考1)

小麦粉の起源と伝播
下の図は小麦に特化したものだ。小麦は、現在、世界で最も広く栽培されている穀類だ。その次が稲やトウモロコシ、そして大麦という。人類が初めて麦類を栽培するようになったのは、紀元前8000~7000年ごろで西アジアのイラン西南部からアナトリア高原、レバノン山麓を結ぶ地域だという(参考3)。パンや麺の原料となるパン小麦は、紀元前5000~4000年ごろにはドナウ川とライン側流域、南ロシア一帯、そして紀元前3000年ごろには北アフリカやヨーロッパ全域に広まり、東方へは、紀元前2000年にインドや中国、4世紀に朝鮮半島、そして日本へは4~5世紀に伝わったという。f:id:hiroshi-kizaki:20171128183155p:plain
(出典:コトバンク、参考2) 

麺の起源
日本経済新聞私の履歴書に連載中の文化人類学石毛直道先生も、紙面の中で記載されていたが、日清食品と麺の起源について研究されている。その結果、ラグヌムを起源してラザニヤやマカロニに発展して系と、湯餅を起源にして切り麺、手延べ麺、索麺、押し出し麺等に分化した系があるという。下の図は、湯餅の系のみを切り出している。日本の麺で言えば、切り出し系はうどんやそば、手延べ麺はラーメンや索麺は素麺等に進化した。
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(出典:日清製粉、参考4)

中国からの麺文化の伝播
香港に赴任していた時は、朝食代わりに屋台の麺類を頂くことがあった。その時には、麺の種類を選んで、スープの味を選んで、トッピングを選んで、それで100円するかどうかなのに、めちゃうまい!あまりに感激してしばらく鬼のように通ってしまったことがある。細い麺や太い麺、平らな麺と色々と選べて楽しかった。下の図によるとうどんはブトンというところから伝播し、手延べ麺と湯麺は福建省から伝播したらしい。

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(出典:中国4千年の反応、参考5)

まとめ
小麦の伝播が麺類の伝播の基礎となって、日本に伝わったのがわかった。ヨーロッパでは、パスタ,ペーストに発展したが、アジアでは餅として発展した。餅は加熱方法で変化する。例えば、蒸すと蒸餅(じようへい),焼区と、焼餅(しようへい),ゆでると湯餅(とうへい),油で揚げると油餅(ゆへい)となる。焼売は蒸餅、煎餅は焼餅、麺類は湯餅、チキンヌードルは油餅といったところだろうか。そして湯餅が麺類の祖先だとわかった。ただ、民族的見地から調べると、正月行事の中で餅ではなく、サトイモやヤマイモを食べるエリアが東日本にあるという。水田稲作は西日本を中心に広がったが、東日本のエリアはかつては焼畑による生活圏だったという調査結果がある(参考6)。これは、つまり、縄文時代の文化は焼畑文化であり、弥生時代に大陸から水田稲作が持ち込まれたということを意味しているのではないか。あと1ケ月ほどで年末年始となる。お正月はお雑煮を頂くのが当たり前と考えがちだが、白味噌赤味噌とか、丸いお餅と四角いお餅とか、具の違いとか、狭い日本でも多種多様だ。それぞれの地域にはそれぞれの歴史があるということだろう。

以上

参考1:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/edu/kyouzai/handbook/pdf/p108.pdf
参考2:https://kotobank.jp/word/コムギ-765846

参考3:https://delsole-komugigohan.jp/komugigohan/wheat/culture.html
参考4:http://world-noodle-dictionary.com/roots/origin.html 
参考5:http://chinareaction.com/blog-entry-2935.html
参考6:https://ja.wikipedia.org/wiki/

少子化問題:働く一人親世帯に厳しい日本社会

はじめに
待機児童が問題になり、子育て支援も検討されている。しかし、国の政策は民意とのズレがあるという指摘もある。専門外の問題であるため、勘違いの部分があれば指摘してほしい。調べれば調べるほど知らなことが出てきた。こう言う複雑な福祉の問題をAIに解かせたらびっくりするような面白い解決策を示してくれるのだろうか。

待機児童問題とは?
出生率が低下しているのに、テレビでは待機児童問題がなくならないと報道されている。会社の同僚も家を買うときには保育所に入れるかどうかが重要な判断要素だという。香港に赴任していたときには、ベビーシッター(現地では「アマさん」と呼ぶ)が子供の送り迎えや炊事・洗濯をして、母親は働くのが当たり前の世界だった。沖縄に赴任したときには、ウチナンチュ(沖縄のひと)は20歳で子供を産むのが当たり前だけど、仕事は辞めずに母親の母親(=おばあさん)が育児を担当する。そして、子供に子供(つまり、孫)ができたら、仕事を辞めて子育てする。だから40歳で孫、60歳でひ孫という家族も多い。そんなことを思い出しながら、待機児童問題がなぜ起きるのか、代替案はないのか、海外に比べて日本社会は特殊なのか、今後どうすればいいのかといったことについて、考えてみたい。

待機児童の実態
最新ではないが、2015年に発表された厚生労働省のプレスを見ると、保育所の定員の方が利用児童よりも多くなっている。マクロ的には定員の問題はないと言えるのだろうか。しかし、定員と利用者を比較することがそもそも間違っているのではないか。待機している人以外にも利用を希望している人(隠れ待機児童)もいるだろう。定員と希望者数で比較すべきではないかと思う。希望者数とサービス品質(希望が叶う率)を決めれば必要数(定員)はトラヒック理論のアーランB式で求まる。100%希望を叶えることはできないが、それを90%とするのか、99%とするのか、99.9%とするのかを決めるのが政策ではないだろうか。f:id:hiroshi-kizaki:20171123195818p:plain
(出典:厚生労働省、参考01)

 保育所の募集枠と入れない子
これまた2014年2月と古い情報だが、世田谷区で60%、杉並区で56%、目黒区で53%、台東区で48%、港区で46%、足立区で44%、江東区で42%の子供が認可保育所に申し込んだが入れなかったという。現在は、もっと減っているのだろうか。

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(出典:東京新聞、参考02)

保育士が保育士にならない理由
希望する児童が保育所に入れない理由が保育所の不足なのか、保育士の不足なのかは不明だが、保育士に就業できる有資格者が保育士としての就業を希望しない理由がプレジデントオンラインで掲載されていった。その最大の理由は賃金が希望と合わない。要は賃金が低い割に責任が重いし、事故があると大変だし、割が合わないということなのかもしれない。
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(出典:President Online、参考03)

出生率保育所の利用児童数の推移
出生率は、1980年代の1.5から2010年代には1.0を切るまでに低下した。しかし、下の図を見ると保育所の利用児童数は1995年ごろから増加している。保育所の定員も増加しているが、利用数が定員よりも少ないのは当然だろう。このグラフには是非利用希望の児童数や希望したけど利用できない児童数をプロットしたい。希望するけど入れない児童がやはり増大しているのだと思うけど、なぜそのようなグラフが見つからないのだろう。政府や市区町村の検討資料をもう少し調べてみたい 
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(出典:朝日新聞デジタル、参考04)

ベビーシッターは代案になり得るのか
希望する保育園に児童を入れらない場合に、ベビーシッターが自宅で児童を見てくれて職場復帰できるとしたら希望しますか?という質問に対する回答が次のグラフだ。全体の約75%は希望するという回答だった。しかし、その場合にもどの程度の料金になるかが問題だろうし、ベビーシッターを自宅に招くことに抵抗を感じる家庭も多いだろう。
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(出典:KIDS LINE、参考05)

幼稚園の在園者数と保育所の利用児童の推移
出生率の低下に合わせて幼稚園の在園者数は減少している。幼稚園は入園者数の減少が経営課題となっているのかもしれない。一方、保育所の利用児童は右肩上がりで増加している。この差の原因はなんだろうか。保育園も0−2歳児と3-5歳児で分けてその傾向を理解すべきだけど、そのような統計はどこにあるのだろう。
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(出典:WinF、参考06)

正規社員とパート等での就業率の推移
内閣府の「仕事と生活の調和レポート(2011)」によると、第1子出産後の正規社員の就業率は着実に増加している。特に育児休暇制度を活用して比率が高まっている。一方、派遣社員やパート等ではそもそも育児休暇制度を受けられるケースが少ないためだろう。パート等で育児休暇制度を利用する比率は4%と正規社員の10分の1程度だ。パート等で就業している人の大多数は育休なしだ。特にパート等の派遣社員は、子供を産みたくてもそれを支援する制度が不足していると言えるのではないか。

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(出典:内閣府、参考07)

増大する非正規雇用社員比率
2014年までの統計資料だが、着実に非正規雇用労働者の比率が増大している。2016年の非正規雇用労働者の割合を調べると既に40%を超えていた。企業の内部留保の増加傾向と非正規社員労働比率の相関が高いという調査結果がある。非正規雇用労働者の比率が高まることは、労働者市場全体として、収入の低下や育児休暇を取得できない人の比率が増大することになっているのではないか。
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(出典:総務省の統計情報をもとにnippon.comが作成、参考08)

企業の規模別の育児休業規定の有無
下の図は、非正規社員の有期契約労働者を対象に、企業規模別に育児休業規定があるかどうかを調査したものだ。 従業員が301人以上の場合には8割が育児休業規定があるが、100人以下だと52.5%まで低下する。全体でも7割弱だ。非正規社員に対する育児休職の制度はまだまだ不足している。

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(出典:内閣府、参考07)

育児休業制度の所得期間
下のグラフは、出産後にも育児休業制度があった場合に、どの程度の期間育児休暇を取得したかを調査したものだ。もっとも多いのは、9ケ月から12ケ月のケースと、12ケ月から15ケ月がもっとも多く、この両方の合計で約4割を占めている。しかし、9ヶ月未満のケースが同じく約4割を占めている。育児休暇を2年間も取得できるような企業はまだまだ少ないのだろう。1年6ケ月以上の比率をもっと高めることと、その時の生活保障を充実させることが課題ではないだろうか。

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(出典:育児ログ、参考09)

派遣社員の実態の男女比較
下の表は、「働く女性の全国大会」の資料からの抜粋だ。年収的には100〜299万円が多い。職業欄で見ると、女性は事務従事者、男性が製造・建設作業者が過半だ。雇用全体に占める派遣社員の比率は2.4%程度だ。パート社員や嘱託も増加していて、雇用形態別の労働者数調査によると、有期雇用労働者の比率は1986年の16.6%から2017年の37.3%に増加している。以前、派遣社員として勤務してもらった人も大学院を卒業して、博士課程前期まで行った人だった。優秀だったけど、もったいないと感じる。
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(出典:スライドシェア、参考10)

育児休業制度の国際比較
下のグラフは、イクメンの状況を国際比較したものだ。日本のデータは内閣府の「少子化社会に関する国際意識調査(2011年)」だ。これによると、スウェーデンでは男女ともに75%程度が育児休業制度を活用している。これに対して、日本の女性では17%だが日本の男性は韓国よりも低い4.8%と悲惨な状況だ。取引先の主任さんが育児休業を取得されたことを聞いて驚いたことを覚えている。普通になるのだろうか。

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(出典:President Online、参考11)

父親と母親の育児の関与度の国際比較
下のグラフはOECDの調査結果と、総務省の「社会生活基本調査(平成13年)」に基づいている。他国と比較して母親の育児時間や家事時間は他の欧米諸国と大きな差はない。しかし、日本の父親の育児への関与度は他国と比較して短い結果となっている。

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(出典:福島県、参考12)

家族関係社会支出の対GDP比の国際比較(2003年)
下の図は内閣府による国際比較だ。福祉先進国のスウェーデンではGDPの約3.5%を家族関係の社会支出に費やされている。これに対して日本は0.75%スウェーデンの5分の1強だ。米国は日本よりさらに低い0.7%というのも驚きだ。2016年時点の軍事費のGDP比は、米国で3.29%、フランスで2.27%、ドイツで1.19%、日本で0.99%だ。米国は論外だが、フランスやドイツは軍事費よりも家族関係社会費用に多くの予算を投じている。平和国家を目指すなら、日本でもGDP比1%程度の予算を家族関係社会支出に予算配分すべきではないのだろうか。少子化が社会問題と指摘されているが、国家予算の配分を見ると正直ショックだ。
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(出典:内閣府、参考13)

女子の就業率と特殊出生率との関係
下の図は、内閣府が発行する男女共同参画会議での調査資料で、OECD加盟24カ国における性労働力率と合計特殊出生率の相関関係が見て取れる。この図では、女性が働いても出生率は下がらないとコメントが記されているが、相関関係の高いゾーンと、あまり高くないゾーンがあるように思う。イタリアからアイスランドにかけては前者だが、日本からスイスは後者のように思える。出生率を上げるには、女子の就業率を上げることよりも、安心して結婚して、出産して、育児休業を取得できるような環境を作ることが重要なのではないだろうか。
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(出典:内閣府、参考14)

日本の一人親家庭貧困率
下の図は、OECDによる調査結果だ。ともに一人親家庭だが、その親が働いているケース(左)の日本の貧困率が57.9%で2位だ。トルコの次に高い貧困率だ。一方、その親が働いていないケース(右)の日本の貧困率は52.1%で7位だ。OECD平均よりも少し低い。働いていないケースより働いているケースの方が貧困率が高いということはどういうことなのだろう。家庭が裕福で働く必要のないようなケースが右には含まれているのだろうか。働くほど貧困というのは社会保障が生んだ矛盾と言えるだろう。なお、アメリカは働かないケースでは94%の貧困率だ。アメリカは働いても40%が貧困だ。現在のアメリカの影の部分を表している。

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(出典:OECD、参考15)

祖母による子育ての手助け
沖縄では、祖母が子育てするが、そこまでいかなくても、祖母による手助けの状況を探すと、下の調査結果があった。ともに青線は妻方の母親で年を追って増加している。一方、夫側の母親はほとんど増減がない(左)。さらに、妻が就業するケース(右)では逆に減少している。妻が仕事をしだすと、夫側の母親は手助けがしにくくなるのだろうか。微妙な家族問題が透けて見えそうだ。
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(出典:ガベージニュース、参考16)
婚外子率と出生率の相関
長くなったので、これで最後にする。下の左の図は文字が小さくて恐縮だが、婚外子率と出生率には高い相関関係があることが指摘されている。左下に日本があり、右上にはスウェーデンやフランスがある。婚外子の是非論は別にして、少子化対策としては効果があるという調査結果だ。しかも、驚くべきはスウェーデン婚外子比率が56%と高いことだ。一方の日本はわずか2%だ。北欧では社会福祉制度が充実しているため、婚外子でも子供を産んで育てることができるのだろう。北欧ではベーシックインカムの議論も進んでいるが、日本ではトライアルすら5年以内に実現するのは難しいだろう。

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(出典:少子化と社会環境、参考17)

まとめ
待機児童問題は、保育士が不足しているといった問題ではなく、国の保障制度や国家予算の配分の問題と理解すべきではないのだろうか。日本において出生率が低下するのは、多くの女性が母親になることを希望していないのではなく、経済的な問題や就業上の問題でとても子供産んで育てる経済的余裕がないという悲しい社会構造にあるようだ。また、日本では父親が育児休暇を取ることには抵抗があったり、派遣社員にはそもそも育児休暇制度が不十分であったり、婚外子を倫理的に許容しないなどの条件が揃っているように思われる。軍事費よりも家族関係に国家予算を回してほしい。日本では、希望の党がマニュフェストにベーシックインカムの検討を打ち上げたが、見事に頓挫している。ベーシックインカムの議論は常に財源の問題でストップするが、前向きな議論が日本でも進むことに期待したい。日本は弱者に厳しい国ではなく、弱者に優しい国になってほしいと思う。

以上

追伸)年齢別の待機児童数
世田谷区は東京都内で最も待機児童の多い区だが、世田谷区のホームページには年齢別の待機児童数の推移が掲載されていた。平成28年度には1198人まで増加したが、平成29年には861人と337人減少していた。素晴らしい!特に3-5歳の待機児童はゼロとなっている。問題は0-2歳の児童だ。これはもう単に保育所の問題ではなく、、ベビーシッターを増やしたり、育児休暇制度を充実したり、家族や地域で共に赤ちゃんを育てるといった社会の仕組みそのものの充実が必要な問題ではないのだろうか。

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(出典:世田谷区のホームページ、参考18)

 

参考01:http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000098603.pdf
参考02:http://yamatea.at.webry.info/201403/article_1.html
参考03:http://president.jp/articles/-/19252 
参考04:http://www.asahi.com/special/taikijido/
参考05:https://kidsline.me/magazine/article/29
参考06:https://winfriede.com/child-neglect/
参考07:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000
参考08:http://www.nippon.com/ja/features/h00133/
参考09:http://ikuji-log.net/entry/childcare-leave-period
参考10:http://slidesplayer.net/slide/11193588/60/images/12/
参考11:http://president.jp/articles/-/5040
参考12:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16005c/danjo-beyourself20.html 
参考13:http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/priority/kihon/k_2/19html/s1.html
参考14:http://www.nga.gr.jp/data/report/report26/141118.html
参考15:http://www.geocities.jp/yamamrhr/ProIKE0911-116.html
参考16:http://www.garbagenews.net/archives/2340533.html
参考17:http://slidesplayer.net/slide/11169510/
参考18:http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/103/129/1812/d00031371.html

 

経営工学:原理・原則や法則類

経営工学を勉強していて理解した原理・原則や法則類について、かつて作成した技術ノートをベースに少しおさらいをしてみたいと思う。

1. ハインリッヒの法則
労働災害における経験則の一つである。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300のヒヤリハットが存在する。アメリカ人のハーバート・ウイリアム・ハインリッヒ(1886-1962)が工場で発生した5000件余りの労働災害を統計的に調査してこの法則を導き出した。大切な事は、重大な事故が発生してから大騒ぎすることではない。軽微な事故を見逃さず、それぞれの原因を追求し、対策を講じることで重大な事故を未然に防止する。さらに言えば、日常的に起きているヒヤリハットから改善点を見つけ出し、地道な改善を進めば、軽微な事故も発生しないし、結果として重大な事故の防止にもなる。そのような考え方で広く活用されている。同様の法則はバードの法則やダイ=ピアソンの法則などあり、数値が多少異なっているが、本質的な意味は同じである。

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(出典:Wiki等の資料をベースに筆者が加筆した)

2. 動作経済の原則
動作経済の原則とは、疲労を最小にして、有用な仕事量を増やすため、人間のエネルギーを有効に活用する経験的な法則である。具体的な特徴は次の4点だ。
1) 作業物を近くに置く。作業の動作距離を最小にする。
2) 障害物は取り除き、正しい作業面で作業する。
3) 両手や足を同時に使う。両手を交差しない。ジグザグ動作を避ける。
4) 重力を活用する。立ったり座ったりしない。手持ちをなくす。
また、手の操作と視覚での確認に頼りがちなので、ペダルを使うとか、音を使うとかで負担を軽減することも全体作業を効率的に行うコツだ。ゴルフのスウィングも動作経済の原則に沿って矯正すると無駄がなくなるかも(笑)。

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(出典:ユニオン、参考1)

3. ECRSの原則
ECRSとは、下の図のように排除(Eliminate)できないか、結合(Combine)できないか、交換(Rearrange)できないか、簡素化(Simplify)できないか?という4つの動作を順番に行なうことで、作業の効率化を図る手法だ。一般にはイクルスの原則と呼ぶが、日本語の最初の1文字をとって「な・い・じゅ・か」と呼ぶこともある。作業全体を見直し、問題点を見つけ出す手がかりとする。そして、改革すべき各業務をECRSの原則で考えることで検討の切り口のヒントを共有する。E→C→R→Sの順番を守ること。たとえば排除(E)と簡素化(S)は検討内容が一部重複するとしても、それぞれのフェーズでしっかりと検討する必要がある。最後のフェーズの簡素化は最も実行しやすいが効果は低い。安易に簡素化するのではなく、作業を一緒にしたり、分離したり、入れ替えたり工夫することによる改善を検討してほしい。業務を改善する施策は出しきってから絞り込む。アイデアを徹底的に出す。ECRSの順番に検討してから絞り込むことが重要だ。
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(出典:後継者育成サービス、参考2)

4. 合理化の3S
合理化の3Sは改善手法である。単純化(Simplification)と標準化(Standardization)と専門化(Specialization)の3つだ。単純化は、Simple is the Bestの実践。対象を整理する。標準化は、漠然とした現状を整理整頓する。一定の基準で分類し、種類を限定して統一し、最後に規格を決めて標準化する。最後の専門化は製品や作業方法について特色を打ち出し、同業他社に対して優位性を獲得するように特化していくプロセスです。3Sに頼りすぎると、環境の変化や進歩、顧客のニーズに弾力的な対応ができない可能性がある。より幅広い知見から俯瞰的かつ柔軟な発想で考えることも重要だ。ボトルネックを特定してからECRSの原則を用いて仕事の進め方を検討する。着眼点を見落とさないように、7つの構成要素7つの無駄と組み合わせて考える。7つの構成要素とは人、物、金、情報、やり方、空間、時間。7つの無駄とは作りすぎ、手持ち、運搬、加工、在庫、動作そして、不良を作るムダ。業務の見える化では、SIPOCの着眼点も有効だ。SIPOCは、Supplier、Input、Process、Output、Customerのイニシャルだ。

5. マイルズの13のテクニック
米国のGE社に勤務していたL.D.Miles(マイルズ)は、製品やサービスの価値を最大にする手法としてVE(Value Engineering)を開発した。日本語で言えば費用対効果を最大にする手法だ。下の表はマイルズの13のテクニックとして広く知られている。
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(出典:MONOist、参考3)

6. パーキンソンの法則
シリル・ノースコート・パーキンソンによると、役人はライバルではなく、部下が
増えることを望み、相互に仕事を作り合うという。コンピュータに適用した法則もある。つまり、データ量は与えられた記憶装置の容量を満たすまで膨張する。下の図のように法則は2つある。まず、第一法則は仕事の量は完成のために与えられた時間を全て満たすまで膨張する。そして、第二法則は支出の額は収入の額に達するまで膨張する。役所にとどまらず組織は、組織存続のために機能する。したがって、これを改めるにはより上位の意思決定に基づくトップダウンの行動が不可欠である。なお、パーキンソンの凡俗法則とは、組織は示唆な物事に対して不釣り合いなほど重点を置くというものだ。国会での国家予算の審議よりも、ゴシップネタの議論に時間を多く費やしたり、報道も後者に重点を置いたりする傾向もこれにあたる。
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(出典:スライドシェア、参考4)

7. デナードの法則
2年でコンピュータの性能が2倍になるという「ムーアの法則」の限界説がよく議論されるが「Universal Limits of Computation」ではムーアの法則の原則は600年で限界になると発表した。眼下で限界に達しているのはデナードの法則である。デナードの法則とは、半導体の寸法をk分の1にすると、遅延時間はk分の1に短くなり、消費電力はkの2乗分の1に下がるというものだ。つまり、半導体を小さくするだけ、高速かつ低消費電力になるという極めて魅力的な法則である。しかし、半導体の微細化は限界に達しており、これ以上微細化するとリーク電力が急激に増大し、電圧を下げられない。
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(参考:Moore, ISSCC keynote 2003、参考4)

8. ファンドリーの法則
経営工学からやや脱線するが、ムーアの法則はコンピュータの性能は2年で倍増するというもの。デナード則はコンポーネントを小型化するほど性能が高まるというもの。そして、ファウンドリーの法則とは、チップの工場のコストは4年ごとに倍増する。東芝が経営再建のために半導体グループ会社を売却する方向で検討しているが、4年ごとに倍増する投資負担は無理と判断したという側面もあるかもしれない。
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(出典:インテル、参考5)

まとめ
経営工学関連と言いながら、後半はIT関係の法則になってしまった。世の中の動きを予測するのは難しいが、世の中の変化の道理を理解して、先入観を除いて、冷静に計算した結果を謙虚に受け止める勇気が求められる。必要以上に恐れる必要もないが、楽観しすぎることも危険だ。今の10代の子供達は20年後には30代の大人になり、40年後には50代の大人となる。20年後といえば、2037年。人口は1億人を切って超高齢化社会に突入しているのだろうか。40年後はすでに団塊の世代の多くは天国に旅立っているので、日本の人口は減少するが、歪(いびつ)な人口ピラミッドから脱却しているという予想もある。中国やインドが超高齢化社会に突入する時代に、日本は細マッチョで筋肉質の人口ピラミッドになって、競争力を再び奪い返しているのかもしれない。そんな風に考えれば、まだまだ日本の将来は明るいと信じたい。

以上

参考1:http://www.union-group.co.jp/merumaga/2016/04/12/動作経済の原則/
参考2:http://kubo-cpa-office.com/business/ecrs/
参考3:http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1011/08/news113_3.html
参考4:https://www.slideshare.net/
参考5:http://www.intel.co.jp/

技術士試験:経営工学の勉強の棚卸し

経営工学とは
現在、技術士の経営工学部門にチャンレンジしている。すでに筆記試験は無事通過し、12月9日に口頭試験を控えている。筆記試験の為に作成した技術ノートをもう一度振り返ってみるのも一考だろう。経営工学とはなんだろうという素朴な疑問にももう一度向き合ってみたい。Wikiによると、英語ではManagement Engineeringとか、Industrial Engineeringであり、「材料装置情報エネルギーを総合したシステムの設計・改善・確立に関する活動である」という。フレデリック・テイラーは経営工学の父であり、科学的管理法を研究したパイオニアだ。現在の課題は評価基準の多様化だ。利益追求だけの観点ではなく、環境面の問題や、健康面への影響、倫理面など広い見識が求められている。

経営の語源
そもそも経営とはなんだろう。紀元前8世紀に周の国の詩人が謳った「経之営之」が語源と言われている。「これを経しこれを営す」と読む。祭壇を築く時の言葉だった。土木工事の時にまず杭を立てるがそのような行為が経である。工事を始める前に外枠を決めるがそれが営だという(参考1)。つまり、経は、縦糸であり、道理を示し、変えてはいけないもの。営は横糸であり、時代の変化に合わせて変えていくものという説もある(参考2)。信念を持って変化に適応するのが経営の本質なのかもしれない。

IE(Industrial Engineering)とは
アメリカIE協会では、1995年に「IEとは、人・モノ・設備の総合されたシステムの設計・改善・確立に関するもので、そのシステムから得られる結果を明確にし、予測し、かつ評価するために、工学的な解析・設計の原理や方法とともに、数学・物理学・社会科学の専門知識と技術を利用する」と定義した。

日本インダストリアル・エンジニアリング協会の定義
アメリカIE協会の定義とほぼ同様だが、日本の協会では2008年に「IEは、価値とムダを顕在化させ、資源を最小化することでその価値を最大限に引き出そうとする見方・考え方であり、それを実現する技術」と定義した(出典:日本IE協会、参考3)。

経営工学と組織論と行動科学
初期のIE効率性を高めることに主眼を置いたが、仕事を効率化するには最適な組織が重要ということで組織論が進化した。最近では組織を構成する個々人の能力をいかに発揮してもらうかという行動科学が進化した。下の図は、それぞれが密接に関係を示していることを示している。
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(出典:Me Consulting Group、参考4)

技術ノートのおさらい
全部で150枚ほどの技術ノートを作ったけど、次のように生産管理、各種法則、経営管理、物流管理に分類されるものが多かった。これ以外にも金融工学があるが、未だによくわからないし、専門分野外なので割愛する(笑)

1. 生産管理
今回、チャレンジしているのは生産マネジメント分野、つまり生産管理は本丸だ。キーワードを並べると、最も多かったのが工程管理と品質管理だった。主に、工場での生産性を高めるような観点からの知見を問うものだ。筆記試験でも、「生産拠点を海外の新興国に移転する。QCDの観点から移転する理由とリスクを述べよ?」という問題があった。品質とコストと納期に関していかに競合他社に対する競争力を高めるかは生産管理の本質を問う良い問題だ。でも、600字の原稿用紙2枚では書ききれないし、そもそも工場経験のない自分では迫力の有る回答は難しいと判断して、別の問題(=損益分岐点分析)に回答した(笑)。最近は、生産ロボット技術が発展し、従来の産業用の垂直多関節ロボットに加えて、双腕ロボットとか、人型ロボットも活用され始めている。これに伴い、生産の前の設計段階の重要性が高まっていて、コンカレントエンジニアリングやフロントローディングの手法も注目されている。そんなことがこの生産管理の中で勉強したことだ。

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2. 各種法則
経営工学の勉強をしているとxxの法則とか、xxの原則を目にすることが多い。皆様もご存知のことが多いかもしれない。使えそうな原則とか法則も多いので、ひとまとめにした。現在は、全国の学校を訪問して、生徒さんや先生、保護者にスマホSNSの利便性とともにリスクを説明しているが、保護者や先生に話をするときはハインリッヒの法則を伝えるようにしている。子供たち自身にルールを考えさせること、そして、それを守っているかどうかを見守ることは重要だし、必要だ。でも、ルールを作ることで、子供たちがドキッとしたり、トラブルに巻き込まれた時に、保護者や先生に相談もできる環境にすることも重要だ。この2つは相反する部分がある。ルールを厳しく指導しすぎると問題が水面下に埋没する。一方、ルールを緩くすると問題が起きるかもしれない。そんな複雑な問題だということを理解することが大切だと思う。f:id:hiroshi-kizaki:20171123112746p:plain 

3. 経営管理
品質を高めるには、統計的な手法は有効だ。今回の筆記試験でもX-R管理図を用いた解法と見識を問う問題が出た。もう一つの問題はQCD+E(環境)に対するPDCALCA(ライフサイクルアセスメント)を問う問題だった。どちらの問題にするか苦慮したが、前者の方は鮮やかな正解を見つけられば高得点を得られるはずと判断し、グラフにプロットしたら、期待通り出題者の狙いが見えてきた。つまり、上限値と下限値の間にあり、一見問題はないようだが、一定数以上が平均値の上もしくは下に続くものを「」と言い、これが7つも続いていた。これは危機的状況ですぐに対処が必要なので、その点を訴求したら、期待通り評価Aだった。この問題を選択してよかった(ホッ)。

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4. 物流管理
経営工学には、生産マネジメント、サービスマネジメントロジスティクス(物流)、数理・情報、そして金融工学の5つの分野がある。自分は生産マネジメントを選択したが、物流関係のキーワードも結構頑張って整理した。なぜなら、技術士試験を受験するときに提出する受験票には、5つの経歴と共に、そのうちの1つの業務の詳細を720文字で説明する必要がある。ここで技術士としての知見と経験と能力をアピールする必要がある。受発注業務や在庫管理業務も生産マネジメントの範疇だということで、自分が担当した需給の業務について記載することにした。発注方式には、定量発注方式と定期発注方式やダブルビン方式がある。また、見込み発注方式と受注発注方式がある。携帯電話を法人のお客様に提供するために必要な端末を発注する業務だが、3つの課題があった。年度末の在庫を最小限にすること(不良在庫ゼロ)、受注案件を確実に納品できること(欠品ゼロ)、そして営業担当からのリアルタイムでの在庫照会&確保処理への対応だ。また、需給業務では、在庫管理責任も問われるので、物流センターとは密接に連携したので、物流業務の勉強にもなった。着任当初は営業担当から要請されるままに端末発注をしていたら、案件が見送りになったり、台数が下方修正されたり、納品時期が延期したりして、不良在庫が蓄積し、50億円近い特別損失を計上する危機に瀕した。これは大変だと、年度末の在庫を縮小すべく締め付けるが、年度末は営業担当にとっても商談をクロージングする重要なタイミングだ。年度末在庫はゼロにはならないが、ゼロにするつもりで、もうギリギリのやりくりを営業担当とギリギリ行ったのが、今となっては懐かしい思い出だ。
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まとめ
筆記試験に向けて作成した技術ノートを体系化してみた。これが正解かどうかはわからないが、頭の整理にはなった。幾つかの技術ノートは機会があればブログでも紹介(=解説)したいと思う。ああ、口頭試験がだんだん近づくにつれて焦ってきた(汗)。

以上

参考1:http://chiejin.link/経営の語源%E3%80%80~語源を知れば、はじめにやること/
参考2:http://office-peach-craft.com/2015/11/12/経営とは仏教用語だった%E3%80%82/

参考3:http://www.j-ie.com/about/about-ie/ie-history/
参考4:http://www.mejapan.com/09_29.html

茅野&諏訪の驚き:縄文文化と名酒真澄と天然上水

縄文の国
茅野駅に着くと、いきなり2つの国宝として、縄文のビーナス仮面の女神に歓迎された。これらの土偶茅野市尖石縄文考古館に普段は保管されている。ただし、10月3日から11月26日までは京都国立博物館特別展覧会「国宝」で展示されている。レプリカ版でもいいので、訪問しようとしたが、バスでは10分しか滞在できず、タクシーだと片道4-5千円はかかると言われ、残念ながら別の機会にした。f:id:hiroshi-kizaki:20171122164238p:plain
(出典:筆者が撮影、関連情報は参考1)

茅野市尖石縄文考古館
縄文時代の遺跡で、最も多いのが北海道で、ついで多いのが長野県だという。特に、茅野市には230あまりの縄文遺跡がある。是非機会を作って訪問したい。
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(出典:茅野市尖石縄文考古館、参考2)

縄文時代の人口分布
東京大学の川幡教授によると、縄文時代の初期の日本の人口は約2万人だった。縄文時代は1万年以上継続するが、今から約5000年前には26万人にも増加した。東北を中心に東日本に人口が集中していたが、関東や中部の人口密度が高い。
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(参考:GENDAI ISMEDIA、参考3)

なぜ縄文人は東日本に偏重するのか
九州の阿蘇山を中心に100立方km以上のマグマを放出するカルデラ噴火は、1万年に1回程度発生した。数10立方km以上の噴火ならば12万年間に18回、つまり6千年に1回の頻度だ。このようなカルデラ噴火の影響で九州地区だけでなく、四国や中国地方縄文人が壊滅的な被害を受けたためだ。平均6,000年間隔で起こっていたカルデラ噴火が、最近7,300年間は発生していない。巨大なカルデラ噴火は周囲100~200kmの範囲で火砕流が覆い、火砕流は時速100kmを超える速度だ。自然災害で最もリスク値の高いのがこのカルデラ噴火ではないだろうか。

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(出典:NHK備える防災、参考4)

出雲族の可能性
縄文時代は竪穴式住居であったため、諏訪湖の水位が上がっても浸水しないことが条件となる。このため、縄文遺跡は全て水面から800m以上高いところにある。縄文人平和な民族だった。弥生人の遺跡からは武器が出るが、縄文人の遺跡からは狩りの道具は出ても、戦争のための武器は出ていない。古事記日本書紀によると、そんな平和な土地に出雲族が訪れたという。西村真次博士の「大和時代」によると、出雲族満州からシベリア・極東からのツングース人が紀元前1800年から1000年ごろに日本海を南下してきた。出雲族は、木造の高床式の住居文化を持つなど、当時の縄文人よりも高い文明を持っていたようだ。話を茅野&諏訪に戻したい。f:id:hiroshi-kizaki:20171122165505p:plain
(出典:記紀の中の出雲族、参考5)

名酒真澄は素晴らしい
長野にスキーに行く時にはお土産に真澄をよく購入したものだ。でも、その拠点が諏訪とは恥ずかしながら知らなかった。下の写真は、お土産に買った山花やその箱や説明書きだ。まだ、いただいていないけど、極上の真澄と呼ばれているので、楽しみだ。真澄の蔵元が酒造りを始めたのは1662年なので、今から355年前だ。徳川家康の六男・松平忠輝はこの真澄を愛飲したらしい。なお、この真澄という酒名は諏訪大社・上社の宝物殿に納められている真澄の鏡から来ている。f:id:hiroshi-kizaki:20171122172455p:plain

諏訪の水道は天然の地下水
茅野で講演した時にミネラルウォーターを頂いた。その時に、諏訪の水は天然の地下水を使っているので美味しいと伺った。確かに美味しかった!名酒ができるのも、やはり水そのものが美味しいことが大きな背景にあるのだろう。これを読んでいる人の中には上下水道の専門家がいるかもしれないので、少し調べてみた。確かに茅野市上水道湧き水と深井戸を取水していた。f:id:hiroshi-kizaki:20171122173752p:plain
(出典:茅野市水道ビジョン、参考6)

美味しい水の数値
厚生労働省は、美味しい水の水質要件を定めている。茅野の水はそれらの要件を満足していて、やはり美味しいことが裏付けられた。なお、これを検査した時期が8月だったが、それ以外の時期には20度以下だということです。f:id:hiroshi-kizaki:20171122174057p:plain
(出典:茅野市水道ビジョン、参考6)

大黒屋のお菓子
これも茅野市の関係者から教えて頂いたお菓子ですが、美味しかった。東日本大震災で被災された方が、こちらに来てお菓子店を開き、すごく美味しいので、評判になった。茅野市に来られた時には、市役所の対面なので、是非寄って欲しい。

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(出典:大黒屋のホームページ、参考7)

まとめ
今回、初めて茅野市諏訪市を訪問した。中央自動車道を走ったこともあるし、JRで通過したこともあるけど、実際に訪問してみるといろんな発見があるものだ。特に、縄文時代の国宝で盛り上がっているのにはびっくりした。縄文時代は1万年以上続いた平和な時代だ。フィージーで今月開催されたCOP23において持続可能な社会を目指そうと世界の英知が議論しているが、1万年以上も持続できる社会があったというのは励みになるだろう。縄文時代弥生時代。学校の社会でも学んだ時には縄文時代の方が古くて、劣っていたようなニュアンスだったけど、本当にそうなのだろうか。最近では、遺伝子レベルでの解析も進み、人類がどのように進化したのか、日本人の起源はどうかといったことがかなり解明されるようになってきている。先に言及した出雲族縄文人弥生人の仲介をしたような説もある。これらが本当なのかどうかが解明されるのも時間の問題かもしれない。

以上

参考1:http://www.city.chino.lg.jp/www/togariishi/index.html
参考2:http://www.city.chino.lg.jp/www/togariishi/index.html
参考3:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39815?page=2
参考4:http://www.nhk.or.jp/sonae/column/20130314.html
参考5:http://korot.hatenablog.com/entry/2015/11/15/002059

参考6:http://www.city.chino.lg.jp/www/contents/1000001220000/files/suidouvision.pdf  
参考7:http://www.daikokuyasweets.com